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ウブド中心部から約4km東にある11世紀頃の古代遺跡。『ゴア・ガジャ』とは『象の洞窟』という意味で、これは14世紀にオランダ人が発見したときに、半壊していたボマ像(ラクササ)が象に見えたためだという。入口に巨大な顔のレリーフが彫られた洞窟は、1923年になって発見されたもの。その顔のモチーフは魔女ランダだとも、シヴァ・パスパティ(アグン山とバトゥール山を造ったといわれる神)だともいわれている。内部の突き当たりの部屋には、左側奥にガネーシャ神、右側奥には3体のリンガ(男根)が祀られている。それぞれのリンガはヒンドゥーの3大神、シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマを表しており、さらに下部を小さな8体のリンガに取り囲まれている。また、洞内には全部で15の横穴があり、かつて僧が瞑想をしたり、睡眠を取ったりした場所だといわれている。洞窟手前の広場には、6人の女神(ウィデャダリWidyadari)が彫られた沐浴場が、ほぼ完全な形で残っている。この沐浴場は1954年に発見されたもので、それまではこの広場の下に埋もれていた。
謎の多い古代遺跡は古くから瞑想や修行の場として使われていた。うっそうとした川沿いの洞窟や沐浴場には、独特の雰囲気が漂っている。