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バリの木彫りの中心地として知られるのがマス。15世紀、マジャパイト王国の崩壊とともにジャワから多くの知識人がバリへ渡ってきたが、そのひとりであるヒンドゥー教の高僧ニラルタNirarthaが住み着いた村がマスだった。マスの村に今も残るタマン・プル寺院Pura Taman Puleに彼は住んだといわれ、この地で神のお告げにより木彫りの才を村人に与えたという。
当初木彫りはブラフマナ層の仕事で、おもに寺院や王宮を飾るために彫られた。こうした技術が父から子へと受け継がれ、マスは木彫りの村となっていく。当時はワヤン・スタイルと呼ばれるラーマヤナやマハーバーラタの物語の一部を彫り込んでいたが、1930年代、ウォルター・シュピースらの影響により、新しいスタイル、つまり人や動物など普段目にする日常を1本の木で彫り上げていく「芸術としての木彫り」が誕生することになった。
現在、ウブドへ向かう街道沿いに多くの木彫りの店が並んでおり、実際に彫り込んでいく作業を見ることができる。
マスへのアクセス
空港からエアポートタクシーで約1時間(定額運賃はRp.43万)。島内ツアーやチャーター車で立ち寄るのが一般的。