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金銀細工、特に精緻な銀細工で知られるのがチュルッ。バトゥブランから北上し、トゥガルタム村Tegaltamuで街道沿いに東へ折れると、道の両側に“Silver&Gold”という看板を出した工房が並び出す。
バリの金銀細工、というよりも金属加工は、もともと高貴な人が身につけるクリス(剣)を作ることから歴史が始まっている。クリスの刃には先祖たちの霊が宿り特別な力があると信じられ、その柄や鞘は男たちの富を示すもので、金・銀の細工や宝石で飾りたてられている。霊力、魔力をもつ金属を扱う者は、バリでは極めて強力な呪術師であると考えられており、彼らはパンデと呼ばれ、下層カーストの貴族という特別なカーストが与えられている。昔からこうした細工師たちが多く住んでいたのがチュルッで、今もその伝統を受け継いでいる。
チュルッの銀細工の特徴は、細い銀線でデコレーションする線条細工。細い銀線を何本も重ねて蝶や花、あるいはベチャ引きの様子が作られており、その完成度は芸術の域にまで達している。街道沿いには大きなアートショップが多いが、一歩脇道へ入ると家族経営の小さな工房も点在している。
チュルッへのアクセス
島内ツアーやチャーター車で立ち寄るのが一般的。