ナショナル・ギャラリー・シンガポール

更新日
2023年12月19日
公開日
2023年12月19日
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シンガポールが総力を挙げて築いたアートの殿堂、ナショナル・ギャラリー・シンガポール。2015年のオープンから注目度は高く、目玉の観光スポットのひとつとなっている。珠玉のアート作品もさることながら、さすが先進とエンタメの国と思わせる造りや趣向に驚嘆。歴史建築とのコラボ、すばらしい眺望、洗練のダイニングなど楽しみと魅力が詰まっている。

見どころと攻略法

とにかく広い(6万4000㎡)!最短でも2~3時間、じっくり見ると1日でも足りないほど。ざっと構造を頭に入れ、見たいスポットを絞ろう。入館料不要でアクセスできるレストランやショップ、屋上展望デッキだけでも壮麗な雰囲気に触れられる。

ふたつの歴史遺産が合体

1939年建設の旧最高裁判所(スプリームコート)と1929年建設の旧市庁舎(シティ・ホール)をつなぎ、それぞれウイングと称してギャラリー展開。ふたつの建物を行き来できるのは地下と3階、4階のブリッジのみ。シティ・ホール・ウイングの6階(屋上)にルーフガーデン・ギャラリーと展望デッキ、バーがある。

必見のギャラリーはここ

◆DBSシンガポールギャラリー(ローカルアーティストの作品、シンガポールに関連のある作品約400点。全3室):シティ・ホール・ウイング2階全域を占めるこのギャラリーはぜひ見たい。

◆UOB東南アジアギャラリー(東南アジア全般の作品約400点。全15室):スプリームコート・ウイング3階、旧法廷に隣接するギャラリー2の絵画『ForestFire』がいちばんの見もの。時間がなければここだけ鑑賞。

☞作品のデータを入手できる

シティ・ホール・ウイング2階のソーシャルテーブルには全作品のデータが収納されており、作品のコピーを自分のメールアドレスに送信することも可能。

☞屋上デッキで絶景観賞

屋上ガーデンは入場券不要。オープンスペースの展示ギャラリーもあり、展望デッキからは街のパノラマが楽しめる。

建物内部の見学ポイント

周到な配慮と最新技術でオリジナル建築を保護再生。建物内も鑑賞しよう。以下の見学ポイントはすべてスプリームコート・ウイングにある。

A:スプリームコート・ホワイエ(裁判所ロビー)1階の床に礎石がある。この下に新聞とコインの入ったタイムカプセルが埋められており、西暦3000年に開封予定。

B:1階に旧裁判所の拘置施設がある。被告人が判決を待つ間収容された拘置部屋が見学可能。

C:3階中央にある円形ドームのある部屋「ロタンダ」。以前は法律図書館だった。現在はその造りを生かし、アジアのアート関連の資料本等を展示。

D:3階の旧裁判所法廷。荘厳で重厚、趣のある内装が見もの。判事席、被告席、2階に傍聴席があり、昔は赤い絨毯が敷かれていた。

E:5階に上がれば、ロタンダのドームが見える。緑色の大ドームは外からよく見えるが、このロタンダドームは背後に隠れていて見えづらかった。今回の改修で多くの人が第2のドームの存在を知ることとなった。

鑑賞したいアート作品

19世紀以降の現代アート、約8000点を所有。絵画だけでなく、インスタレーション、パフォーマンスアート、映像など多岐にわたるのが魅力。アジアの自然や民俗、暮らしを捉えた南国的な絵画が多く、シンガポールの歴史を垣間見る作品も興味深い。

①『ForestFire』(1849年)

オランダ王室から「王の画家」の称号を得たインドネシア人画家RadenSalehが、同王室へ献上した絵画。西洋と東洋両方の技法を用い、火事で断崖に追われた動物を迫力あるタッチで描いている。

②『NationalLanguageClass』(1959年)

Chua MiaTeeの作品。1959年イギリスから独立し、国語となったマレー語を学ぶシンガポールの華人の様子が描かれている。シンガポールのアイデンティティを象徴するような絵画。

③『ArtistAndModel』(1954年)

作者のLiu Kangは上海とパリで美術を学んだ「南洋スタイル」の代表的油彩画家。バリ島の風俗や人々を好んで題材にした。

④『JourneyOfAYellowManNo.11:Multi-Culturalism』

体を黄色くペイントして水桶に入るというパフォーマンスアート(Lee Wen)を撮影した映像は衝撃的。

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