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8月のフランスはバカンス(休暇)シーズンです。パリは人が少なくなり外は観光客ばかり。いつも以上に英語などの他言語が聞こえてきます。世間が休みなので、いっそのこと私も外へ出ていれば良かったのですが、今年はパリで8月を過ごすことにしてみました。
休みで社会が止まっているため、仕事についてはかなり不便があります。夏休みのパリは、どのような感じなのでしょうか?
まず役所などの手続きは、すべて滞ります。私の場合、7月のバカンス前に日本の免許証をフランスのものに書き換える手続きをしたのですが、8月を挟んだため、現時点でもまったく進んでいないと思われます……。
行きたいレストランが、すべて閉まります。8月は日本から知人などが来ることが多いです。しかし、お目当のレストランの多くがバカンスで閉まっているため、選択肢はかなり狭まります。開いていても、いつもあるお得なコースメニューがなくて、単品での注文だけであったり、不便は多いです。
仕事をしていても、担当者が休みに入っているため、連絡が取れません。ゆえに、この時期に何か手続きを行う際は、毎回日本の相手には、この特殊な事情を説明する必要があります。緩いフランスと、几帳面な日本の板挟みになります。
加えて今年の夏はとても熱い日がありました。気温が40度近くまで上がり、その日は夜も温度が下がらず、日本の夏のような寝苦しさでした。もちろんパリの多くの場所に空調はありません。
散々じゃないか……と思えるかもしれませんが、一方で良い面もあります。パリ市内は閑散としているため、これら不便がなければ、いつも以上に暮らしやすいです。道路を走る車も少ないですし、日も長く、セーヌ川沿いでの夕涼みは最高です。
ところで、パリっ子たちはどこへバカンスに出かけたのでしょうか? じつはフランス人は海が大好きです。INSEE(仏国立統計経済研究所)がまとめた統計によると、休暇先に海を選ぶ人は全体の5割で、山は2割だそうです。そのため南へ向かう道路は、毎年この時期になると大渋滞します。日本でいうお盆の帰省ラッシュみたいなものでしょうか。なお、この時期フランス人は、平均して10日以上をバカンス先で過ごすそうです。
(8月お題"ぼくの夏休み")