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こんにちは。シェムリアップの案内人・西村です。
ここ最近、年末年始が近づきなんやかんやとバタバタしております。
さて、本日ご紹介するのは、連合出版から出ている書籍「カンボジア自転車旅行」です。
実は著者の平戸平人(ヒラトヨシヒトさんと読み、ヒラトヒラトではない。でも本名かどうかは?な状態)、昨年ぐらいにカンボジアに来られていた際に、現地在住日本人の皆さんと一緒に特別平戸サイクリングツアーを行い、遺跡エリアを自転車で回ったのです。
その際に、ちらっとお話させていただいたのですが、「本読みたい!」っと僕が言った一言を覚えていてくださり、先日、お持ちいただきました。(残念ながら僕は不在でお会いできなかったのですが…)
という事で、さっそく読んでみました。
まず第一前提として、僕自身、2005年ごろからほぼ毎年、ダートバイクでカンボジア全土の様々な道を3周以上、車でも2周以上しています。(エリアにより回数が異なるのでざっくりカウントです)
そんな僕からの一言として、「バイクでも二度と行きたくないルート、自転車ならもっと行きたくない」という事です。
意識しているのかどうかは別にして、本当に厄介なルートばかりを周遊していて、間違いなく大変だったろうなと思います。
実のところ、この紀行文のもとなる旅は2007年だったという事もあり、これらのルートはもうだいぶ変化していて、赤土の道は舗装されていたり、でこぼこ道路は平らになっていたりして、今同じルートを通ると、なんてことはないって思うことがあるかもしれません。
しかし、この時期は本当に大変だった時代で、乾季ならいざ知らず、雨季ならとんでもない状況だった場所が多数です。
本文中にもありますが、胸まで浸かって川を渡るとかも当たり前(これは今も変わらないけど)でした。
ちょっと話はそれちゃうけど、僕自身の体験でも同様の体験が一つ。ラタナキリのとある村へ一人で取材に行ったときだったのですが、行きはただの道だったのが、途中から雨が降り始めた影響からか帰りは川となっていたんです。(当時は気づかなかったんですが、今思えばあれはベトナムサイドにあるダムの放出が原因だったのかな)
まあそんなに深くないだろうとその川を強行突破しようとバイクで飛び込むと、底は泥でタイヤは完全にスタック。前にも後ろにも動けず、真っ暗闇の中、増水する川の中で腰の上まで浸かって1時間ほど待機。遠くに見えた明かりに向かって大声で叫び、救助を求めたこともありました。
ちなみにその時、履いてた靴の片方は川に流され、そのすぐ後に、クラッチバーが折れ、止まるたびにエンジンは押しがけ状態。あの時代の道知っている人いれば分かるんですが、赤土の道路はタイヤの溝に入り込み、タイヤは常につるつる状態。ラタナキリの町まで40㎞ほどなのですが、その間に倒れた回数は20回を超えました。(技術問題じゃなく、本当にすってんころりんと意味が分からない状態で倒れるんです。イメージ的には氷の上を走ってる感じで摩擦係数ゼロ近くみたいな)。その時の心境はもうどうでもいいって感じで…。
実際、「じゃー同じことを僕もやってみるぜっ」ていう自信のある方には、(今でも危険なエリアもあるため)おすすめできない本ですが、自分はできないけど、こんな旅にもあこがれるって方にはぜひ読んでほしい一冊です。
機会があれば是非読んでみてください~。
※ご一読いただいた方、コメントお待ちしております。