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宿のオーナーに部屋代と夕食代として計15$を渡して出発。出発するとすぐ、「HOMESTAY」という看板が数軒見えた。はっきりとは分からないが、きっと西洋人向けツアーで使っているのであろう。10分ほど走るとオダーミエンチェイ州へのかけ橋を抜けることとなった。思ったよりもずっと早く、道路状況も良い。途中、小さなお寺があり、ピーロムがここに寺院があるかもしれないと言い出した。引き返してみると、敷地の片隅にアンコール時代のリンテルと、小さなナーガ像が残されていた。近くのお坊さんに尋ねてみると、プラサットラージェアタックチュム(水溜りの王)寺院であるという。本来のアンコール寺院があった場所は、正確にはこの場所ではないが、少し離れの森の中の寺院より軽い彫刻だけ持ってきたのだそうだ。
そのまま、今日の一番の目的地である、ターモアン寺院へと向かう。この寺院、タイとの国境山間部にあり、昨今のプレアヴィヒア世界遺産問題から、派生した揉め事が、この寺院にも飛び火したのだ。
途中まで、ひじょうーにいい道だったのだが、もうゴールまであと少しという村から水没している道路が現れ始めた。深さはあまりなさそうな粘土質の道路が、ぼろぼろの民家前にある。民家の庭を横切るように、少しだけ良さ気な楽な脇道もあるのだが、少しチャレンジしようと進んでみる。
ううむ。あっさりハマった。全く動かん。バイクの下3分の1が埋まっているのである。膝丈まではまってしまいどうしようもないのだ。以前これとまったく同じ状態にラタナキリの誰も来ないような山でなったことがある。その時は今回よりずっと状態はひどく、太陽も落ち、真っ暗で雨が降る中、1時間ほどだれか通りかかるのを待ったことがある。
とりあえず、泥の道路の後ろからピーロムに押してもらうが全く動かん。エンジンをふかしても泥が跳ねあがって、ピーロムに降りかかるだけでどしどしと深くはまっていく。仕方なく民家の近くにいたオカアさんグループに声をかけ、助けてもらう。外国人とあれば助けねばならぬと、みんなが一生懸命押してくれ、泥沼からの脱出に成功した。ありがとー。と叫びつつさよならをして先へと進む。