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どうもこの辺りは酪農が盛んであるようだ。酪農といっても放牧100%であるわけで、子供達がのんびりと水牛を追いかけて、いや後をついて行っているである。自由な時を楽しんでいる水牛は、気の赴くまま雑草、水浴び、仲間達とのファイトを楽しんでいる。近くの木陰ではカウガール達が犬と一緒にランチボックスを広げている。
そのまま、15分ほど走るとバンテアイチュマール寺院に到着する。この寺院、いろんな本で紹介され始めているが、寺院を中心として四方に残る小遺跡群に関しては知られていない。地雷がまだまだ残っているため日本のガイドブックでは自主規制をしているのだろう。今回はねもとも来ているので、興味深い寺院のみ訪れることとし、彫刻などが残されていないものはパスすることとした。まずは寺院南にあるタプローム寺院に到着。同名の寺院がシェムリアップにあり、実に覚えやすい。この寺院の特徴はアンコールトム内バイヨン寺院でも見られる四面仏の一基の塔がお堀に守られており、その姿が、常に水面に映っていることである。寺院内部を見学していると周辺に住む人々が訪れ、シャワー代わりのスイミングを楽しみ始めた。お堀の水を自宅で使うためだろう、彼らの乗ってきた自転車には水汲み用プラスティックコンテナが搭載されていた。
そのまま近くのバイクタクシー停留所まで足を延ばす。周辺寺院は過去に全て訪れたことがあるのだが、その一つ一つの再発見、道のりは大変であることを覚えている。時間を無駄にしないように、地元の運転手に案内を依頼することとしたのだ。特に寺院西側にあるタネーム寺院とその奥にある小寺院にはタプローム寺院同様、四面仏の塔が残されているのだが、道のりはやや大変だ(ちなみに運ちゃんは5$をリクエストしてきたが、粘り交渉で3$に決定)。民家の庭先にバイクを停め、高床式住居の脇、田圃を抜け、寺院へと向かう。ところどころに牛糞(地元の人々は地雷とよんでいる)が落ちており、きちんと足元を見ていないとドカンと踏んづけてしまう。5分ほど歩くと森からひょこっと顔を出しているタネーム寺院が現れた。ぐるりと裏側に回ると四面の内の二面は完全に崩れ落ちていた。案内人の運ちゃん曰く内戦時代にポルポト兵がバズーカでふっ飛ばしたそうた。
停め置いていたバイクに乗りこみ、も一つ奥の寺院に向かう。3kmほど、約7分で到着。運ちゃんも正式な名前は知らないという(後ほどタソ寺院であると判明)。以前は環濠を兼ねていたのか、周辺には大きな水溜りあり、寺院を取り囲んでいる。少しだけ小山になった森に入ると寺院が現れた。先と同様、ここも四面仏の塔があるのだ。たまたま2日ほど前にフランス人の団体が来たとのことで、森へと続く小道にかかる草木はきちんと切り落とされておりアクセスは楽である。非常ラッキーだ、以前来たときは木々をかき分け森に入ったことを覚えている。到着した四面仏の塔入り口には座仏が並ぶ彫刻がきれいに残っていた。見学中に蚊に刺されたようだ、ちょいと腕が痒くなった。