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バンテアイミエンチェイ – ピーマイ 5日間の旅 初日 3

西村 清志郎

西村 清志郎

カンボジア特派員

更新日
2008年8月23日
公開日
2008年8月23日
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お腹と共にバイクの燃料も補給。シソポンを見下ろすプノンスワイに行こうか悩むが、特になんも無さそうなので、町外れに建つワットプノンチョンチェン(大壁の寺)に行き、何か面白いものはないかと散策。壁に沿って建つ寺院の脇を登っていくと岩の上には仏陀とそれに祈る男の像がある。ピーロムに聞いてみると、その男は悪いマジシャンであり、人々に嫌がらせをしていたのだが、仏陀の影響で改心したのだという。ふむ、よく分らんがとりあえずそんなストーリーもあるもんだと耳を傾けながら、この壁でロッククライミングでもやれば結構楽しめそうだなと同時に考える。とりあえず次回はパートナーを探しギアを持ってくることに僕の中で決定。そのまま大壁を登りきり、シソポンの街を見渡す、のんべりしてあんまり大きな建物もない良さ気な町である。

シソポンの街から北上するとクメール遺跡マニアには有名なバンテアイチュマール遺跡がある。そこまでの道も舗装されていない赤土ややボコ道であり、以前は「魔の7本ブリッジ」があった。この云われは当時木製であったこれらの橋がよく落ちており、何人も傷を負い、遠回りを余儀なくされたことからそう言われるようになったのだ。現在はそのほとんどがコンクリートで修復され、二度と落ちることはない「安全セブンブリッジ」となった。

また、この辺りの地元民公共移動手段として、農耕タクシー(田植え機に荷台を付けた物)を利用しておいるのだが、これが思ったよりも速度がある。自分の運転するバイクが巻上げる砂ができるだけ彼らにはかからないようにと、追い越しの際は少し大きく回り込むのであるのであるが、もともと速度のあるものを追い越す場合は一時的であれ結構な速度が必要であるのででこぼこ道ではちときつい。後で聞くとねもとは何度か倒れそうになったという。ちなみに農耕タクシーの料金は距離により異なるが初乗り1000リエル(約30円)、子供料金半額だそうだ。

目的地であるバンテアイチュマールまで残り25%地点に辿り着いた。ふと脇を見ると「遺跡こっち」看板があるのだが、看板が指し示す場所にはカンボジア軍隊オフィスがある。オフィス敷地で暇そうにハンモックに揺られている軍人に尋ねると、遺跡までの道をつぶしてその上にオフィスを建てたため、道路が使用できなくなり、遺跡まではオフィス手前の小道を抜けていかなければ辿りつかなくなったのだという。で、看板はせっかく作ったからそのままにしているのだそうだ。ううむ、さすがカンボジア、やることが大胆である。

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