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10kmに一度の割合でピーロムが地元の人々に「この辺に何か面白いところはないか?遺跡は残ってないか?」と聞いていくのだが、実になかなか、面白い場所はそうそう見つからない。聞こえてくるのは近くにポルポト時代の骨塚があるとかそういったものばかりである。
途中たまたま見つけた寺院看板にそって、細い道を2kmほど進むとロティ村に到着。村のロティ寺には崩壊した小さなレンガ造りクメール寺院「プラサットチェッダイ」がある。お爺さんに声をかけると、彼の購入した土地にも崩壊した寺院があるという。とことこと彼についていくと現れたのは池、いや巨大な水溜りである。ヤシの木をくりぬいて作ったヤシ舟に座り、彼のビーチサンダルパドリングで前へ前へと進む。パドリングの度にまん丸のヤシの木はひっくり返りそうになるのだが、ぎりぎりセーフで着岸成功。
わしわしと彼の庭を抜け田圃へと向かう。15年ほど前に1ヘクタール5500リエル(今だと140円くらいだが、当時の価値では3000円ほどか)で購入したという。田圃の脇には灌木が茂る空間があり、小枝を掻き分けながら進むと崩れた煉瓦と砂岩のヨニ(台座・女性器を意味する)と柱跡が残っていたが、彫刻などは何も残っていない。お爺さん曰く、残っていた砂岩彫刻はUNTAC時代に誰かが持ち出したそうだ。
再び、爺パドリングで今来た大水溜りを戻り、謝礼として1$を渡すと、爺はうひゃひゃと笑った。
行き交う大型トラックや、バスが巻上げていく赤土で道路が見えないこともある。やっとこさ到着したシソポンではすでに12時30分を回っている。とりあえず昼食、焼き飯と冷たいコーラを注文。代金はじゃんけんで負けた者が支払うということに決定。今回はチョキを2回続けて出したねもと支払いである。
この町から先はタイの通貨であるバーツのほうが使用しやすい。とりあえず100$両替し3220バーツを手に入れた。