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皆さんは「マレガ・プロジェクト」をご存知ですか?
海外で偶然に、しかも大規模に(総数1万点)発見された日本の古い史料ということで、一日本国民としてもとても興味深いものです。
「マレガ・プロジェクト」とは、2011年にバチカン図書館で大分県豊後地方のキリシタン資料が大量に発見された件で、日本とバチカン図書館(バチカン市国)が共同で行っている調査研究です。
筆者も今年の2月に、史料が発見されたバチカン図書館でマレガ文書の整理のお手伝いを行ったのですが、日本の古文書を扱うのは初めてだったので、とても興味深かったです。
イタリアにいながら、こんなに大量に日本語の史料を見る機会などは普段はないことで、緊張で文書を開く手がつりそうになります。(何回かつったかもしれません・・・。)
↑ 史料は巻物で墨で書かれています。
これらの膨大な史料は、イタリア人のマリオ・マレガ神父(1902-1978)が大分県の教会の在任期間中に、豊後キリシタン関係史料を調査して、それらの収集したものをバチカンに送ったものです。この史料群がバチカン図書館の中に収蔵されていることが2011年に判明したのです・・・。
来月9月12日(土)に、この「マレガ・プロジェクト」のシンポジウムがローマで開催されることになりました。
↑ 皆さんも、ローマでもしお時間がありましたら、どうぞ覗いてみて下さい!
シンポジウムでは、バチカン図書館及び日本側関係研究機関がこれまで行ってきたこれら資料の共同調査を通して明らかになってきた事実を紹介するとと もに、資料が有する価値と可能性、及び学術・文化の交流等について、日本、イタリア、欧州の市民・研究者とともに、検討していきます。
・日時: 9月12日(土) 13:30~
・場所: 教皇庁立ピオ10世ホール(Sala San Pio X)
(Via della Conciliazione 5, 00193 Roma )
・主催者:バチカン図書館、人間文化研究機構(国文学研究資料館)
・入場料:無料
・スケジュール(開会挨拶)14:00~(英語、日本語通訳)
(基調報告)大橋幸泰 早稲田大学教授 14:30~(日本語):16-19世紀日本におけるキリシタンの受容、禁制、潜伏
(報告I)佐藤晃洋 大分県立先哲資料館館長 15:15~(日本語):近世日本豊後のキリシタン禁制と民衆統制
(報告II)Silvio VITA 京都外国語大学教授 16:00~(イタリア語)英語資料配付:20世紀における宣教師の活動を探る
(報告III)Angela Nunez GAITAN バチカン図書館職員 16:30~(イタリア語):英語資料配付:マレガ神父収集文書の保存と管理
(質疑応答) 17:00~ (英語、イタリア語、日本語通訳)
これ程、大量のキリシタン関係の史料は国内でも確認されていないそうで、世界的にもとても重要な史料なのです。
日本とバチカンの合同研究が大きく実を結ぶといいですね!
マレガ・プロジェクトについての詳細はこちら:
-在バチカン日本国大使館 こちら
-国文学研究資料館(東京都立川市) こちら
-国際交流基金 日本文化会館(ローマ) こちら
日本関係機関:
-人間文化研究機構(国文学研究資料館、国立歴史民俗博物館)
-東京大学史料編纂所
-大分県立先哲史料館 等
イタリア関係機関:
-バチカン市国
-バチカン図書館
-在バチカン日本大使館
-在イタリア日本大使館
-国際交流基金 日本文化会館(ローマ)
-イタリア大学(教皇庁サレジオ大学、ローマ大学、ナポリ大学、ヴェネツィア大学) 等