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前回より、イタリア人のマンマにご協力をいただき、クリスマスのお菓子作りを取材させていただいています。
前回のおいしいお菓子:マンマ伝授のレシピ "不恰好だけどおいしい" という名の焼き菓子、ブルッティ・マ・ブオーニ。 こちら
イタリアではクリスマスにケーキも食べますが、ケーキだけがメインという訳ではなく、ケーキの他にも細々としたお菓子がたくさん並び、それぞれが主役となっています。ですので、今年のクリスマスは小さなお菓子もご紹介したいと思います。
今回は、南イタリアの太陽の恵みがいっぱいの "チョコレート詰め乾燥イチジクのオーブン焼き(Fichi Secchi Ripieni)" というクリスマスのお菓子です。
材料:
乾燥イチジク(出来れば軟らかいもの) 適量
アーモンドもしくはくるみ 適量
ブラックチョコレート 適量
オレンジの皮 適量
砂糖 少量
↑ お菓子の材料です。
"チョコレート詰め乾燥イチジクのオーブン焼き" は、南イタリアのお菓子です。
南イタリアの燦燦と降り注ぐ太陽の下で天日干し(自然乾燥)させたイチジクは、普通の乾燥イチジクよりも甘さが強く、果肉も軟らかです。
イタリアをご旅行中の方は、スーパーなどでも乾燥イチジクが手に入ります!
↑ 乾燥イチジクを包丁で半分に割ります。
日本でいうと、ハンバーガーを作る用の丸いパンを2つに割る要領です。手でイチジクの形を丸く整えてから割ると良いです。このイチジクハンバーガーに材料を詰めていきます。
↑ 一番最初にイチジクを全部割ってお皿に並べて形を整えてから、中に材料をのせていくと良いです。
↑ 一個ずつ一かけらのアーモンドやくるみ、オレンジの皮、削ったブラックチョコレートをのせます。量はお好みで大丈夫ですが、のせ過ぎるとハンバーガーが閉まらなくなります。
↑ 全部にのせ終わったら、ハンバーガーを閉じて、クッキングシートを敷いた天板の上に並べます。加熱するとチョコレートが外に溶け出してしまうので、ハンバーガーはきちんと閉じられていることがポイントです。そして、指で表面を少し平らに均し、砂糖をふりかけ、160度位に温めたオーブンの中で20分焼きます。
↑ 焼き上がりました。少しきつね色になっています、
中でチョコレートが溶けて糊の役割を果たすので、ハンバーガーがぴったりとくっ付きます。
本来は、南部ではチョコレートを入れずに、イチジク、アーモンド、オレンジの皮など全て庭で採れるもので作っていたお菓子だそうです。あまり裕福でない家庭でも、クリスマスが来るとお母さんは子供達の為にせっせとこのお菓子を作っていたのでしょうね!
外見からは単なる乾燥イチジクにしか見えないのですが(梅干しにも似ているかも)、口に入れるとアーモンドのカリカリっとした食感とイチジク本来の甘さ、チョコレートのフレーバーが絶妙に混じり合っています。
イタリアはG7(世界の先進7カ国)に入っていますが、未だに残る、食に対する素朴さがいいです。