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ローマでは日中の観光ももちろん楽しいのですが、夜の散歩もとても雰囲気があり素敵です。
前回の"大聖堂編"に引き続き、今日はスペイン階段、パンテオン、フォーリ・インペリアーリの遺跡、聖天使城、ピラミッドなどの人気観光スポットの夜の様子をお届けしたいと思います。
前回の記事: 2014年12月7日号 有名観光スポットの夜の顔。大聖堂編(ヴァティカン・サン・ピエトロ大聖堂、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂、サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂) こちら
まずは、スペイン階段へ行ってみました!
↑ スペイン階段は、地下鉄A線の"スペイン広場 (Piazza di Spagna)駅" で降りて、地下鉄出口から徒歩30秒です。
↑ 気温は12度と寒い夜でしたが、スペイン階段にはたくさんの人が座っていました。
階段の正面にあるのは、有名な舟の噴水(イタリア語ではバルカッチャ Fontana della Barcaccia)です。建築家ベルニーニのお父さんとベルニーニが1629年頃に造ったもので、ローマを流れるテヴェレ川の1598年の氾濫時の様子を再現しています。ですので、舟が半分沈んでいます。(舟の中にも水が!)
堤防がなかったので、1900年頃までローマでは川の氾濫は頻繁におきていました。
このバルカッチャは長い間修復中で、覆いで囲われていて見れませんでした。今日訪れたところ、嬉しいことに修復は終わっていて、色も真っ白になっていました。水も澄んでいます。
↑ 階段の一番上にはトリニタ・ディ・モンティ教会(Trinità dei Monti)があります。
ところが残念、こちらは修復中でした。写真上部のオベリスクのすぐ後ろにある、鐘楼をプリントした白い覆いがかかっているのがその教会です。次に、修復前の写真を添付しますのでこちらでご覧になって下さい。
↑ 昼間のスペイン階段です。スペイン階段は、映画「ローマの休日」でオードリー・へプバーンが、折れそうに細い体(特にウエスト)でジェラートを食べながら降りて来るシーンで有名です。
↑ 続いて、スペイン階段の真ん中辺りまで上って来ました。上から見ると、通りにクリスマスのイルミネーションがされているのが分かります。
↑ 階段の真正面にあるのは高級ショッピングストリート、コンドッティ通り(Via dei Condotti)です。ブランド通りとして知られていて、例えば、写真の左側の建物には、Dior (クリスチャン・ディオール)、右側の建物にはプラダ(PRADA) が入っているのが見えます。フェンディ(Fendi)などイタリアンブランドの銘店もこの一帯にあります。
↑ このコンドッティ通りにある1760年創業の老舗カフェ、カフェ・グレコ(Antico Caffè Greco)です。ローマ最古のカフェで、イタリア国内でもヴェネツィアのカフェ・フローリアン(1720年創業)に続き、二番目の古さです。
過去の利用客にはアンデルセン、ゲーテ、スタンダール、リスト、メンデルスゾーンなどの錚々たる顔ぶれが並び、場所柄もあり高級カフェになっています。
お値段の目安を記しますと、イタリア式にカウンターで立ったままではなく、テーブルに座って飲んだ場合、カプチーノは1杯8ユーロ(約1200円)です。普通のコーヒー(エスプレッソ)ですと1杯5ユーロ(約750円)です。(2014年現在の情報)
お店は年中無休でスペイン広場からすぐ、店内の装飾は当時のままのアンティーク調で重厚な雰囲気があります。日本からの観光客さんが良く訪れるポイントです。
続いて、ローマといえば "遺跡" ですので、大きな遺跡の残っているコロッセオ方面へ行ってみました。
コロッセオの西側には古代ローマの中心地だったフォロ・ロマーノ(Foro Romano)と、皇帝達が造った公共の広場、フォーリ・インペリアーリ(Fori Imperiali)の遺跡が広がっています。
↑ フォーリ・インペリアーリ通り(Via dei Fori Imperiali)です。ヴェネツィア広場(Piazza Venezia)を背にして撮った写真で、奥にコロッセオが見えます。
↑ フォーリ・インペリアーリの遺跡です。遺跡も夜はライトアップされています。
紀元前2年頃のアウグストゥス帝や2世紀頃のトラヤヌス帝の公共広場などの遺跡が残っている場所です。
↑ 暗闇に見える白く高い円柱は、113年に完成したトラヤヌス帝の記念柱(Colonna Traianea)です。
皇帝のダキア(現在のルーマニア地方)遠征の勝利の場面を、約20の大理石を積み重ねて、114のシーンに分けて彫ったものです。円柱は当時のもので、細部まで綿密に描写されているのが驚きです。
↑ 物語の見事な浮き彫りです。(写真は昼間に撮影したもの)
この円柱は高さが約40メートルあるのですが、それは、かつてこの場所にあった丘の高さを表しています。元々、この場所にはこの高さまでクイリナーレの丘があったのですが、何事もやるときはやらなければ気がすまない性格の皇帝は、丘(Collis Latiaris)を切り崩して、自分のフォロ(公共広場)を造りました。
円柱の内部は空洞で、螺旋階段で頂上まで上れるようになっていました。
↑ 道路を渡ってフォロ・ロマーノ側です。こちらはカエサル(シーザー)の公共広場(Foro di Cesare)。紀元前46年に建てられたヴィーナスに捧げられた神殿(Tempio di Venere Genitrice)を支えていた円柱です。
↑ ライトアップが美しいトラヤヌス帝のマーケット(Mercati Traianei)の遺跡です。110年頃に完成した複合商業施設で内部にはお魚屋さん、果物屋さんなどのお店が入っていました。昔の人はここに来て、楽しくお買い物をしていたのでしょうか。
↑ フォロ・ロマーノの遺跡です。円柱の遺構が暗闇に浮き上がります。
↑ こちらはこのフォーリ・インペリアーリ通りにある名物露天商(果物屋)、その名も "インペリアル・フルーツ(Imperial Fruit)" です。
遺跡の前にある屋台なのですが、果物の展示の仕方がすごい為、買わずに見とれる人多しです。遠くからでも果物を売っていると一目で分かるほど、いつ通っても山の様に積み上げられてんこ盛り状態です。なかなか美しい時もあります。庇の下にも果物が大量にぶら下がっていますし、今日のバナナの並べ方はまた縦に高い(?)感じですね。
果物屋さんは焼き栗も販売していて、写真左側ではエプロンを着けたお店の人が、お客さんに焼き栗を売っているところです。
↑ 続いて、パンテオン(Pantheon)です。夜もロマンティックです。
詳細は過去記事:ローマのパンテオンはパワースポットだった! こちら
次は少し足をのばして、地下鉄B線でローマ中央駅テルミニ駅から4つ目のピラミデ駅(Piramide)前にある、ピラミッド(Piramide Cestia)をご紹介します。夜のピラミッドは非常に不気味です。
筆者は夜のピラミッドが怖いので、日が落ちてからは滅多に近づきません。
小さなピラミッドなのに、未だ内部は完全に解明されておらず、建設から2000年以上経った今でも新しい部屋が発見され続けているミステリアスなピラミッドです。
↑ 紀元前12年に造られた本物のピラミッドです。日本人の寄付により、昨年、修復&清掃作業が完了しました。
↑ ピラミッドの前にある、サン・パオロの門(Porta San Paolo)です。
3世紀に建てられた、ローマをぐるっと取り囲むようにして守っていたアウレリアヌス帝の城壁に造られた門の一つです。内部は小さな博物館(Museo della Via Ostiense)になっていて、入場は無料です。
ピラミデ駅の上は、イタリア食材専門店 イータリー(EATALY)があり、観光スポットにもなっているのですが、駅周辺はあまり治安が良くない為、駅の構内及び周辺では日中もご注意下さい。
その後、ヴァティカン市国方面へ行ってみることにしました。
サンタンジェロ城の夜の様子です。サンタンジェロ城とは、イタリア語でカステル(城)+サント(聖)+アンジェロ(天使)、すなわち聖天使城の意味です。
詳細は過去記事:ぐるぐる回廊から見るパノラマが最高!一人でも楽しめる観光スポット、聖天使城(サンタンジェロ城)。 こちら
なお、ヴァティカン市国のサン・ピエトロ大聖堂の様子は前回の "大聖堂編" の記事にまとめてあります。
↑ テヴェレ川にかかる聖天使橋の前に建つ、聖天使城(サンタンジェロ城)です。
↑ サンタンジェロ城の前にかかる聖天使橋からは、ヴァティカン市国のサン・ピエトロ大聖堂の美しいクーポラが見えます。食後に散歩する人も多く、夜の散策も楽しいローマです。お奨めです。