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ローマでは日中の観光ももちろん楽しいのですが、夜の散歩もとても雰囲気があり素敵です。
今日は"大聖堂編"ということで、3ヶ所の大聖堂の夜の様子をお届けしたいと思います。
↑ サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂(Basilica di Santa Maria Maggiore)に向かいます。
写真の左側にあるのが大聖堂です。
↑ "サンタ・マリア" という名前が示すとおり、聖母マリア様に捧げられた教会です。キリストや諸聖人でなく、マリア様に捧げられた教会としては、世界最大規模を誇ります。
↑ この大聖堂は非常に長い歴史があり、もう一つ、教会の設立に由来する別名が知られています。
"雪の聖母マリア教会(Detta Santa Maria ad Nives)"という名前です。ところで何故、雪なのでしょうか?
"雪のマリア様"という名前は大昔の4世紀に遡ります。
356年8月4日の夜、ローマ法王リべリウス(在位:352-366)が寝ていると、夢の中にマリア様が出て来ます。
するとマリア様が "教会を建てるのにふさわしい場所に明日の午前中に雪が降りますので、その場所に建てて下さい。" と伝えます。
この時、実はマリア様は、大金持ちの貴族ジョヴァンニさんとその妻の夢にも同時に現れていました。マリア様のお告げがたまげたものだった為(夏に雪が降るということで)、驚いたジョヴァンニは翌朝、このことを伝えに友人でもあるローマ法王の元へ出向いたのでした。
法王は、実は自分も全く同じ夢を見たと告白し、マリア様が教えてくれた場所(ほぼ今この大聖堂が立っている場所)に行くと、雪がびっしりと積もっていたのでした。そして、ジョヴァンニの出資で教会が建てられることになりました。
参考記事:
2017年8月31日号 真夏に降るロマンチックな雪!毎年8月5日は"雪の奇跡"-サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂 こちら
↑ 教会前の広場です。
フォロ・ロマーノのマクセンティウスのバジリカ(遺跡で古代の裁判や集会の為の会堂 Basilica di Massenzio)から持って来られた円柱の上には、マリア様の教会の前ですので、幼子キリストを抱くマリア様の像が立っています。
教会のある場所は、ローマに7つある丘のうちの一つ、エスクイリーノの丘(Colle Esquilino)のチスピオという高台にあります。
4世紀頃、この周辺は外国人(異邦人)が多く住み、信仰する宗教も多種多様でした。そのど真ん中にキリスト教の教会を建てることは、戦略的にとても重要なことであったと想像できます。
正面の建物は4つ星ホテルのメチェナーテ・パレス・ホテル(Mecenate Palace Hotel)です。
↑ 月とマリア様。(円柱全体像はブログの1枚目の写真も見やすいです)
↑ 続いて、サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂(Basilica di San Giovanni in Laterano)です。
↑ 大聖堂といわれるだけあり、大きな教会です。
こちらも歴史はとても古く、初期教会は313-318年にローマ帝国の皇帝コンスタンティヌス帝が建てました。
すぐ隣に聖なる階段(スカラ・サンタ Scala Santa)があります。
この聖なる階段は、キリストが裁判の日に上ったことで有名で、エルサレムのピラト(イエスの処刑のゴーサインをだしたローマのユダヤ総督)の宮殿から、コンスタンティヌス帝のお母さんへレナによって326年にローマに持ってこられたといわれている階段で、お祈りをしながら膝で上っていきます。
写真中央の尖塔形の聖龕の中に、聖ペテロと聖パウロの頭部が聖遺物として収められています。世界中から信者が毎日訪れる大聖堂です。
↑ 彼がコンスタンティヌス帝です。彼の腕や手などもあります。(カピトリーニ美術館のコンセルヴァトーリ宮の中庭)
↑ 皇帝の巨大な足です!
4世紀頃、この皇帝の像を拝む(崇拝する)ようになっていた(!)のでかなり巨大なものです。(イメージとしては、お寺の中にある仏像の様なものと考えると良いかもしれません)
↑ 続いて、バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂へ行って来ました。雨が降っているので石畳が濡れています。
↑ クリスマスツリーが昨日、到着しました!
本物のモミの木で、今年は南イタリアのカラブリア州からやって来ました。高さは25メートルもあります。モミの木は毎年、違う場所からやって来ます。近年では、2013年はドイツのバイエルン、2012年はイタリア中部のモリーゼ州から切り出されたモミの木をツリーとして使用しています。これから1ヶ月間、皆を楽しませる為、頑張ってくれる生の木です!
↑ まだ、イルミネーションの飾りつけは行われていません。こんなに大きいと真っ直ぐ立てるのも大変ですね。重石がたくさん乗せてあります。
↑ 昨年のイルミネーション点灯中のクリスマスツリーです。
↑ 夜の観光だからこそ、良く見えるものもあります。
この写真の右側部分に、暗闇の中に浮き上がる絵が見えますでしょうか。
↑ これはマリア様のモザイク(Mater Ecclesiae)なのですが、日中はほとんど誰も気づきません。
このモザイクは、前ローマ法王ヨハネ・パウロ2世(在位:1978-2005年)が1981年5月13日に、この場所でトルコ人テロリスト、メフメト・アリ・アジャに銃撃されたことを記憶する為のモザイクとして作られました。(暗殺未遂犯は、トルコで刑期を終え釈放)
↑ 銃弾は2発が命中し、法王は重傷を負いました。
後に法王は、"聖母マリア様が私から弾をそらして下さった。" と語っていたことから、このモザイクが作られました。何故なら、事件当日はファティマの聖母マリアの出現の記念日であったからです。
参考:襲撃直後の様子 こちら
いつもと違った顔を見せるローマ、夜の散策もとてもお奨めです!
次回は、スペイン階段など有名スポットの夜の顔をお伝えしたいと思います。
3つの大聖堂の最寄りの地下鉄駅は、
・バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂
⇒地下鉄A線オッタヴィアーノ駅(Ottaviano)から徒歩7分
・サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂
⇒ローマ中央駅テルミニ駅(Stazione Termini)または地下鉄A線ヴィットリオ・エマヌエーレ(Vittorio Emanuele)から徒歩4分
・サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂
⇒地下鉄A線サン・ジョヴァンニ駅(San Giovanni)から徒歩2分