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イタリアのバール(Bar)は朝6時30分頃から開いていて、近所の人達とおしゃべりをしながらコーヒーを飲んだり軽食もとれる、いわば社交場のような役割を果たしています。
イタリア人は、バールで朝食を摂ることも多いので、カウンターにはコルネット(イタリア版クロワッサン)やタルト類、チャンベッローネ(Ciambellone 直径が30cm位あるドーナツ型の小麦粉と砂糖を混ぜて焼いたケーキ。スライスして売っている)、甘い菓子パン、ビスケット類などがぎっしり揃っています。
今回は大概のバールのカウンターにある、(ビスコッティ)オッキオ・ディ・ブエ(Biscotti Occhio di Bue)というビスケットをご紹介したいと思います。
イタリア語でオッキオ(Occhio)とは "目" 、ブエ(Bue)は "牛" を指す為、直訳すると "牛の目玉" という意味になります。ちなみに卵の"目玉焼き"も同じく、オッキオ・ディ・ブエといいます。大きい目に見える、その形状から由来しているのでしょう。
↑ オッキオ・ディ・ブエ (牛の目玉)というビスケットの一種です。
このオッキオ・ディ・ブエは、ローマでは非常にポピュラーなお菓子で、バールのみならず、スーパーマーケットのお惣菜コーナーなどでも売られています。
イタリアのバールではお馴染みのスイーツだと思っていましたが、今回の記事執筆の為の事前調査で、南イタリア出身の方から、南部ではそれ程ポピュラーなお菓子ではないという証言をいただきました。
ですので、タイトルも"イタリアのバールでよく・・・"とはせずに、"ローマのバールでよく・・・"としました。
一方、イタリアの北部では知られているそうなので、オッキオ・ディ・ブエは北中部にかけて良く見られるスイーツとなりそうです。
↑ オッキオ・ディ・ブエは意外と大きく、直径10cm前後あります。
焼いた軟らかいビスケット地を重ね、"目"の部分にクリームやジャムが入っています。
この写真のものは"目"の部分に、アプリコットジャムが詰まっているタイプです。その他には、チョコレートクリームやホワイトチョコレートクリーム、ピスタチオクリームのヴァリエーションあります。
大きさをさらに2回り程小さくした、ミニ目玉タイプのものもあります。ミニ目玉タイプのものは、いくつか購入してラッピングしてもらうと、手土産にもぴったりです。
↑ 昔は、オッキオ・ディ・ブエではなく、オッキオ・ディ・ボヴェ(Occhio di Bove)と呼ぶこともあったそうです。ボヴェとは、同じく "牛" の意味です。
↑ ホワイトチョコレートクリームとヌテッラ(ヘーゼルナッツ風味のチョコレートクリーム)の牛の目玉。
↑ イタリアでは "甘い朝ごはん" で快活に一日が始まりますので、当然ながらオッキオ・ディ・ブエを朝食にする人もいます。オッキオ・ディ・ブエは中もビスケット全体にびっしりクリームが挟まっているかと思いますが、実際は "目" の部分だけです。重そうで軽い、軽そうで重い、一見掴みどころのないお菓子ですが、女性の方なら1枚でお腹がいっぱいになります。ビスケット生地がどっしりとしているのです。
もしイタリアでバールに入る機会がありましたら、オッキオ・ディ・ブエをお試し下さい。
ご参考までに、ローマの市場(バール)での平均価格は、1枚1.3ユーロ(約190円)前後です。