キーワードで検索
今月の特派員のお題は "麺(パスタ)" ということで、今日はローマ特有のパスタ2種をご紹介したいと思います。
ところで、今日木曜日は、ローマではニョッキを伝統的に食べます。 ニョッキ(Gnocchi)とは、ジャガイモやカボチャを茹でてつぶしたものと小麦粉を混ぜ親指の先位の大きさに模り、ソースで味付けした団子状のパスタです。
↑ 夏にプールサイドで注文したニョッキの一例でオマール海老のニョッキです。
海老のだしが良くでていてとてもおいしく、ニョッキのにょきっとした歯ごたえが最高の一品です。
イタリアでは月曜日は〇〇の日というように、曜日によって決まっている食べ物を摂る習慣があります。
習慣なので強制ではありませんが、例えば木曜日にトラットリアやレストランなどに行くと、本日のお奨めメニューとして "〇〇(ソースの名前など)のニョッキ" と看板に書かれていることがあるのはその為です。
バールのお昼時のサービスでも、毎週木曜日はカウンターにニョッキが並びます。
筆者はニョッキが好きなので、あちこちの店でニョッキが並ぶ木曜日を狙っています。お店によって、ニョッキの海老クリームソースかけ、かぼちゃのニョッキ、ほうれん草のニョッキと4種類のチーズソースなど、ニョッキのメニューもまちまちで毎週楽しめます。これらの習慣は各地方・都市によって違います。
ちなみにローマでは、"木曜日はニョッキ、金曜日はお魚、土曜日はトリッパ(子牛の胃袋 -臓物料理となる)の日" となっているので、レストランでお魚料理、魚介類を食べるなら金曜日が良いと思います。
諸説ありますが、昔のイタリアでは木曜日は休日に近い感覚であり(今でもだと困りますが・・・)、この日に重いものや栄養のあるものをしっかり摂る習慣があったことからだそうです。
ローマの場合、ニョッキは一言でいうと"ジャガイモのお団子"ということでお腹にたまる一品の為、木曜日に当てられて、その代わりに次の日(金曜日)は軽いお食事(?)の "お魚の日" になっているそうです。
今日はローマを代表する麺(パスタ)のご紹介ですが、ローマ名物のパスタは何といっても、スパゲッティ・アッラ・カルボナーラ(Spaghetti alla Carbonara)とブカティーニ・アッラマトリチャーナ(Bucatini all'Amatriciana)です。
↑ ブカティーニ・アッラマトリチャーナ(Bucatini all'Amatriciana)です。
ブカティーニという穴の開いたパスタ(スパゲッティを太くした感じで中に空洞ができている)にパンチェッタ(豚のお腹の脂)、トマトソースをからめたこってりした味のパスタです。ペコリーノチーズという羊の乳から作るチーズなどをかけて食べます。飲食店では、単純に"アマトリチャーナ"といっても通じます。
日本でいう "スパゲッティ・ナポリタン" とはこのパスタから来た様です。(ピーマンは入れません)
↑ 別のお店のアマトリチャーナです。麺をブカティーニではなく、トンナレッリにしてもらいました。トンナレッリ(Tonnarelli)とはイタリア中部で良く食べられるパスタの一種で、麺の断面が四角(◆)です!(1枚前の、ブカティーニのアマトリチャーナの写真と見比べると、麺が四角いことが分かるかもしれません。)
↑ 手前がスパゲッティ・アッラ・カルボナーラです。カルボナーラとは"炭焼き風"の意味で、炭焼き職人さん (Carbonaro カルボナーロ) が、もし仕事の合間にパスタを作ったら、手などの炭の粉が落ちてこんな風になるのではないか!という感じの黒コショウがバラバラ入ったパスタのことです。
麺特集ということですので、向こう側に見えるお皿にのっている麺もご紹介します。こちらの麺は平たく見えると思いますが、細いきしめん状のパスタ、リングイーネです。お皿はリングイーネ・アッラ・チェルニア(Linguine alla Cernia)で、お魚のハタ(チェルニア)のリングイーネです。とてもおいしいです。
↑ 別のお店のスパゲッティ・アッラ・カルボナーラです。元々カルボナーラは"貧乏料理"なので、生クリームは入れません。ローマでは麺類はスパゲッティの他に、短いパスタのリガトーニ(マカロニ系)も良く使います。
この様に、麺の部分がスパゲッティからリガトーニに代わったりしますが、地元ローマの飲食店では、スパゲッティを使うスパゲッティ・アッラ・カルボナーラと、ブカティーニを使ったブカティーニ・アッラマトリチャーナが圧倒的に多いです。
アマトリチャーナもカルボナーラも、オリジナルレシピではお肉はグアンチャーレ(Guanciale 豚のほお肉の脂身の塩漬け)やパンチェッタ(豚のお腹の脂)を使用しますが、ベーコンで代用するとご自宅でも作れると思います。
それでは、お楽しみ下さい!
10月お題 "麺"