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没後2000年目!ローマ帝国の初代皇帝アウグストゥス帝記念イベント。

阿部 美寿穂

阿部 美寿穂

イタリア特派員

更新日
2014年8月19日
公開日
2014年8月19日
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ちょうど2000年前の今日、紀元14年8月19日にローマ帝国の初代皇帝、アウグストゥス帝がポンペイ近郊の町、ノーラで亡くなりました。その為、本日ローマではアウグストゥス帝にゆかりのある施設にて各種イベントが行われます。

↑ ローマ国立博物館(マッシモ宮)蔵。

アウグストゥス帝は紀元前63年9月23日生まれ。「賽は投げられた」や「ブルータス、お前もか?」などの言葉で知られる養父カエサル(シーザー)の遺志を継ぎ、地中海地域の平定を果たした皇帝です。冷静な性格で知られています。

生まれつきかなりの虚弱体質で、周囲にはまさか彼が皇帝に?(皇帝は戦にも行かなければなりません)とひどく見くびられていましたが、疲れたらすぐに横になるなどしてあまり無理をしなかった為か(?)結果として当時としては長寿の満76歳で死亡。少し前から肺炎を患っていたのであまり体調が良くありませんでしたが、亡くなる当日は法令などに目を通し、全て署名し終えた後に静かに亡くなったといわれています。アウグストゥス(Augustus)帝の名前は英語の8月 "August" (オーガスト)の由来となりました。

↑ アウグストゥスの平和の祭壇 (アラ・パキス・アウグスタエ Ara Pacis Augustae)はアウグストゥス帝にゆかりのあるモニュメントの一つとして、観光スポットになっています。

何故、"平和の祭壇"かというと、それまで毎日、戦いや争い事ばかりで大変な世の中だったのがアウグストゥス帝により地中海世界が統一され、市民もやっと何とか安心して住める世の中になったことを記念しているからです。ローマに初めて訪れたとも言えるこの平和を(長い目で見れば一時的ですが)、ラテン語でパクス・ロマーナ(ローマの平和 Pax Romana)といいます。

出来上がったばかりの美しく輝く平和の祭壇を見た市民は皆、涙目だったといいます。何十年にも渡り戦いに駆り出された毎日がようやく終わり、よほど嬉しかったのでしょうね!

↑ この祭壇は、紀元前9年1月30日にこの平和を記念して元老院が奉献したものでオリジナルです。(その約4年前の戦争でアウグストゥスが周辺地域あちこちを統一し大勝利をして帰って来た為、ローマ帝国に一応は平和がもたらされることになったという背景があります。)

↑ 白い大理石の表面の浮き彫りの再現図の一つです。このアラ・パキスの見所は今後、別のブログにてお届けしたいと思います。

↑ この祭壇は随分長い間、テヴェレ川の氾濫などによって積もった泥の下に埋もれていましたが、16世紀の後半に偶然発見されます。イタリアでは良くあるパターンです。

↑ 本日アラ・パキス(平和の祭壇)では、アウグストゥス帝没後2000年を記念して特別に午後21時~24時までオープンします。(入場料お一人様11ユーロ。料金には展示会 "アウグストゥス帝の遺産展" も含む。最終入場は23時まで。住所:Lungotevere in Augusta ポポロ広場から徒歩5分)

現在の祭壇は真っ白ですが、今晩は映写機を使って平和の祭壇が色付きだったと思われる完成当時の様子を再現するそうです。

また、アラ・パキスのすぐ隣にあるアウグストゥス帝の廟(Mausoleo di Augusto)は通常は非公開ですが、本日は特別に午前9時30分、10時30分、11時30分に内部を公開します。ガイド付きで入場は無料で定員制の為、事前予約が必要です。予約電話番号:06-0608 受付時間は午前9時から

今年はアウグストゥス帝没後2000年を記念し、年内はローマ市内の博物館、美術館、遺跡などで皇帝の素顔に迫る展示会などが併せて催されています。機会がありましたら是非覗いてみて下さいね!

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