キーワードで検索
↑ サンタンジェロ城。イタリア語でカステル(城)+サント(聖)+アンジェロ(天使)、すなわち聖天使城です。サンタンジェロ城の内部は国立博物館になっており入場観光が可能です。
ところで、このサンタンジェロ城とすぐ西側にあるヴァティカン市国は距離にして500メートル程なのですが、秘密の通路でつながれているというお話を聞いたことがありますか?
ローマ教皇が敵に攻め込まれ命を狙われた時、バチカン市国をソソッと秘密裏に抜け出して、より頑丈で守りが堅いこのサンタンジェロ城に逃げ込む為の秘密の通路で、この通路は教皇の住居とお城の堡塁の一つ(サン・マルコ堡塁-写真向かって左奥部分)を直接つないでいます。実際には過去に何度も使われており、教皇様危機一髪時に大活躍した秘密の通路です。不穏な世が再び来ることがありませんように。
実はこの通路は毎年夏に一般公開されており、今年は9月7日まで見学することが可能です。
サンタンジェロ城も興味深いのですが、今回はそのサンタンジェロ城の前に架かる美しく風情ある橋、サンタンジェロ橋をご紹介したいと思います。
↑ 橋の欄干にはたくさんの天使像が並びます。
↑ この橋自体はサンタンジェロ城と同時代の建設(130年)なので大昔からあったのですが、17世紀に当時のローマ教皇が、ベルニーニ(建築家・彫刻家)に橋の欄干を飾る像のデザインと制作を依頼します。
ベルニーニ本人に天使像を2体彫ってもらったのですが、あまりの出来栄えに、う~んこれはもったいない!と思わず唸ってしまった教皇は、橋にはコピーを据え付ける事にしオリジナルは手元に置くことに。橋の上にあるコピーとオリジナル(後述)の出来はやはり違うので、気持ちは分かる様な気もします・・・。
↑ 通行する人達は、両脇の天使達に見守られながら聖天使城に辿り着きます。
↑ ベルニーニの設計を基にお弟子さんによって彫られています。表情が優しいですね~。
↑ 何故か動物に近寄られるのですが、カメラを構えるとカモメがやって来て邪魔(?)をします。ブログに載りたいのかな?
↑ 590年頃、ローマにペストが大流行した際に、この場所を法王グレゴリウス1世が通ると、剣を鞘に収めようとしている大天使聖ミカエルが現れます。このミカエルの暗示により、疫病は終息を迎えるのです。写真はその聖天使城の名前の由来となった、大天使聖ミカエルです。(1枚目の写真で聖天使城の頂上(屋上部分)に立っている青銅の像)カトリック教会では、ミカエルは3人いる大天使(ミカエル、ガブリエル、ラファエル)の中でリーダーの様な存在で、強くて勇敢な天使です。
↑ スペイン広場近く(徒歩5分)にあるサンタンドレア・デッレ・フラッテ教会(Sant'Andrea delle Fratte)には、サンタンジェロ橋の天使像のうちベルニーニが法王に依頼されて彫った二体(オリジナル)が今日も保存されていますので、お時間があれば是非訪れてみて下さい。
↑ こちらの二体です。"INRIの銘を持つ天使" さん。大理石の像とは思えぬ柔らかさとしなやかさがあります。
↑ "いばらの王冠を持つ天使" です。ダイナミックな動きも自由自在に表現できる、ベルニーニのノミ使いには何世紀経って見てもすごいものがありますね。近寄ってご覧いただくと、その精巧さに更にびっくりされると思います。オリジナル像も必見です!
この教会は、月~金曜日は午前6時30分~午後12時30分、午後16時~19時まで、土曜日・日曜日は1時間延長して20時までオープンしています。(* なお、ミサの最中は見学することが出来ませんのでご注意下さい。ミサの時間:平日は7時、8時、9時、10時、11時、12時、18時(冬)、19時(夏)、休日は7時、9時、10時、11時、12時15分、18時、19時)