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今日は(も)面白いことがありました。
今回は、イタリアのレストランでメニュー外のものを頼んでも、コミュニケーション次第で見事に出て来るよという典型的な例をご紹介したいと思います。
昼食時に友人と、12時半にお店を開けたばかりのピザ専門のレストランに行きました。
お目当てのサーモンとルッコラのピザを注文すると、ウェイターさんが、ピザ職人さんに急用が出来た為、到着が1時間程遅れるのでピザは注文出来ないと伝えてきました。
サーモンのピザを注文したのは、筆者がお魚が食べたかったというのもありますが、友人はこの後も別の仕事で予定が詰まっており、時間的に余裕がないので注文したら10分程で出てくるものを食べるのが最適という理由もありました。
いくらピザが食べたかったからといってピザ職人さんの到着を待っている訳にはいきません。
"それでは、何にする?"と二人でメニューを見ながら相談していると、ウェイターさんはそれを知らずか、プリモ・ピアット(第一皿目で、パスタや米料理などを選ぶ)とセコンド・ピアット(第二皿目で、肉・魚料理などのメインディッシュになるもの)は何にしますか?と聞いてきます。
友人は、"今日はあまり時間がないので、第一皿目でなるべく早く出来て、かつ、おいしい料理はありますか?"などと相談、するとウェイターさんは、"そぉねぇ~。それなら今日スープ用に取り寄せた魚介類でおいしいのが入ってたから食べたいかしら?"と聞いてきます。お魚が食べたかったなぁ・・・と言ったのが聞こえていたのかもしれません。
返答せずに考えていると、"お魚が食べたいんでしょ、それならメインの料理をこの魚介類ということにしてパッケリ(パスタの一種類)をからめて、ピアット・ウニコ(一つのお皿に全部入っているという意味。つまり第一皿+第二皿)にしちゃえば?早く出来るし、とってもおいしいよ。うちのメニューにはないけどさ。"との返答。
だっ、大丈夫かな?と思って沈黙していると、間髪入れずに、"あたしに任せてよ。あたし16歳の時から32年間、ウェイター一筋でやってるプロなのよ。このお店には1ヶ月前に来たばっかりだけどさ。"と。(ちょっとオネエ系のウェイターさんです)
そして待つこと15分位?(早かったです)出てきたものがこちらです!
なっ、何ですか、これは?
↑ "こっ、このお店でこんな作品を見るのは初めてです。何ですか、これは?ハッ、ハトですか?" と声が震える筆者。"いや、アヒルのつもりで作ってみたんだけど~。" と、くねくねするウェイターさん。
↑ "そういえば、日本の折り鶴に良く似ているねぇ!"と調子良くコメントする友人。
ちょっと折り鶴とは違うよね?と心の中で思いながら、こちらは蒸し焼きの様な感じですが、ピアット・ウニコって大丈夫なんでしょうかねぇ~。と思いつつ開けてみると・・・。
↑ すご~い!魚介類がいっぱ~い!!
↑ てんこ盛り状態の魚介類を掘って行くと、パッケリという太くて短いパスタが出てきました。
↑ 時間がないので早く出てくるもので、お魚が食べたいという希望と、でもおいしい料理を食べたいという要求を見事にマッチングしてくれたウェイターさんの対応に大満足でした。
ちなみにお会計はというと、第二皿をメインに第一皿も食べておきながらも、プリモ・ピアット(第一皿)という名称で請求されていましたので、結果的に激安でした。
一人一人が"食"にこだわるイタリア、バールやレストランなどでは、お店の人はなるべくお客さんのリクエストに答えようと頑張ってくれます。
アバウトなイタリアですが、マニュアルというものがない分、あらゆる場面で想定外の事が起こった時の人々の柔軟性や機転の良さは目を見張るものがあります。
このウェイターさんの場合でも、我、ピアット・ウニコを勝手に作ってしまったという報告を、後から出勤して来たレストランのオーナーにしていました。オーナーも "それ、おいしそうじゃん。" 何て答えていました。
おおらかなイタリア、メニューに載っていなくても、食べたいものがあれば遠慮せずに聞いてみましょう!出てくるかもしれません。これは本当です!