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イタリアでは住民が安心して暮らせる様に、医療費が無料となっています。
国は "万人救済"(Sistema universalistico)の精神を掲げ、イタリアのテリトリー内で治療や医療行為が必要となった場合は "どんな人でも分け隔てなく" (例えば不法滞在者や犯罪者)、無償でこれを享受する権利を持っています。
よく冗談で聞くのは、スイスとイタリアの国境で具合が悪くなった場合に、どちらに倒れると手厚くもてなして(?)貰えるかというものです。答えは這いずってでもイタリア領地に入れというものですが、おそらくこのことを言っているのでしょう。
イタリアには公的、私的医療機関がありますが、今日はイタリアの公的医療機関について簡単にお届けしたいと思います。(本日は一般的なインフォメーションのみとします。)
イタリアで生活する住民は、国民健康保険に加入することが出来ます。私達の様な外国人も同等の権利を持っています。
国民健康保険サービスは、各州政府に移管されていて、保険証を作りたい場合は、ASL(Azienda Sanitaria Locale)という地域の保険所に行きます。
市内にいくつかASLがあるので、最寄の場所を探してみて下さい。
イタリアに留学する場合、学生でも任意で国民健康保険に加入することができます。
ローマのあるラツィオ州の場合、1月1日から12月31日までの1年間をカバーするとして費用は149.77ユーロです。(学生は税金をおさめていないので、加入費用が必要)
診察料はもちろん何度行っても無料です。便利なサービスですので、体の余り丈夫でない方は加入されても良いでしょう。12で割ると、1ヶ月で12ユーロ程度しかかからないので良いと思います。
↑ 保険証です。これは後日自宅に届くものですが、保健所に登録すれば同日からすぐに使用できます。イタリア人はヨーロッパEUの国でも治療がOK。
保険証はつくる時に、自分で好きなかかりつけのお医者さん(ホームドクター)を一人、リストの中から選びます。
家の近所で評判のいいお医者さんを選んで登録しておくと良いと思います。
お医者さんとのフィーリングがあわないなど不満があれば、後からいつでも変更は可能ですよ。
イタリア在住歴が長い日本人のお友達達とも良く話すのですが、イタリアのお医者さんは非常に優秀です。症状などについてどう思うのかしっかりと説明してくれるので信頼感に繋がると思います。よく診てくれるので安心して大丈夫ですよ。
診察は気軽に(基本的に予約なし)やってくれるので、ちょっと具合が悪くなった時にふらっと立ち寄れる、憩いの場となります。
筆者のホームドクターは50代の女性なのですが、患者さんの精神的ケア(?)もしてくれる気さくな先生です。どこも悪くなくても先生のパワーを貰いに気軽に立ち寄る人も多いです。
風邪かなぁ~と思って行っても、触診、内診、血圧と徹底的に診てくれます。
お医者さんはフレンドリーです。
例えば、
風邪をひいた場合にホームドクターに行き、どこが悪いか診察してもらいます。そして処方箋がないと買えない薬を処方してもらいます。診察料は無料です。
インフルエンザになり具合が悪くて動けない場合、ホームドクターの携帯(病院の電話でも)に電話すると、自宅まで往診に来てくれます。処方箋が必要な抗生物質を処方してくれて(抗生物質は無料が多かったな)、診察料は無料です。
嬉しいのは、この国では薬代も1年間にある一定額以上かかった場合は、後から申請すると戻ってくるサービスがあります!
また救急病院に関してですが、救急車は慈善団体やボランティアなどが運営しており、基本的に無料(民間の団体で有料もあり)です。
イタリアでは、保険の有無にかかわらずに全ての外国人は緊急診療を受ける権利があります。具合が悪くなったら、迷わずに行きましょう!
イタリア語ではプロント・ソッコルソ(Pronto soccorso)といいます。
数年前から緊急度に応じて診察は有料となりましたが、それまでは緊急の場合の治療は誰でも無料でした。
過去には、足の骨折、捻挫(重傷)、急性じんましん(3回。いつもお尻にブツッと一発注射です)、目の異状 等々、散々やらかしましたが、いつも無料で診察・治療をしていただいたありがたい記憶があります。(ローマの緊急病院のことなら筆者におまかせ下さい!!)
旧ローマ特派員さん(福田さん)も公的医療機関(ワクチン注射)について実体験を書いていらっしゃいます。こちら
国民健康保険についての詳細は、各州のホームページなどでご確認下さい。
ローマについてでしたらお答えできると思いますので、ご質問等あればお気軽にどうぞ。