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イタリアのお店で良い待遇を受けるためのヒント!

阿部 美寿穂

阿部 美寿穂

イタリア特派員

更新日
2014年2月4日
公開日
2014年2月4日
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イタリアと日本ではコミュニケーションの方法に大きな違いがあり、それを知らないとお店などで良い待遇が得られない場合があります。今日は実例付きでご紹介します。

↑ カンポ・デ・フィオーリ広場 (Piazza Campo de' Fiori)の朝市。

この小さな広場には毎日午前中、かわいい青空市場が出ます。

"これは何だろう?"と思ったら、お店の人に聞いてみましょう!きっと気さくに答えてくれるはずです。

それでは、イタリアで守ると良いルールをまとめてみます。

ルール:

1. お店に入る時は、黙って(無言)で入らずに必ず挨拶をしよう。

これが一番大切です。

その後の対応が1000倍も違ってくるからです(もちろん良い方へ)

日本の場合、お店に入る時は無言でもOKかもしれませんが、イタリアには冷やかしでお店に入るという習慣はあまりありません。お店に入る時は買うものが大体決まっている時です。

入ると、基本的に一人のお客さんに担当の店員さんがついて、何を買うか相談⇒アドバイス⇒試着⇒購入⇒レジへ と最後までつきあってくれます。

一対一でお姉さん(おじさんかも)とコミュニケーションをしながら決めていくのです。

日本の生活に慣れていると、うざったいと思う場合もありますが、知らない人とも喋れるチャンスかもと前向きにとらえていきましょう。イタリア人の店員さんは、日本人は無言で何を考えているかわからないので接客しづらいといいます。

お店に一歩入る時、できれば目をあわせて大きな声で "こんにちは!" の挨拶、もし買う気が全く無ければ "ただ見ているだけです!(もしくは見てもいいですか?)" とすぐに意思表示をしましょう。

聞こえていなかったら何回でも懲りずに言って下さい。

またこちらから何も発信をせず、勝手に商品を取ったり触ったりすると嫌がられることが多いので、筆者の場合、もし触ったりあれこれ試したい時は "〇〇が欲しいんだけど~。こんなのはどうかしらね?あなたはどう思います?" という感じで、店員さんをうまく巻き込んでしまいます。

バールでも同様です。お店に入るときはこんにちは!が大切です。ローマの場合、お店の中で店員が遊んでいる(!)ことがあるので、お客が入って来たんですが・・・ということを知らせなければなりません。

↑ コミュニケーションの国、イタリア。イタリア人は良く喋ります。

写真は、パンテオン周辺のジェラートの激戦地区にある、ジェラート屋さんグロム(Grom)。

2.少し大きめの声をだしてみよう。

良く言われますが、日本人は声が小さいので普通に挨拶をするとイタリア人には聞こえません。

それを知らずにいて、何度挨拶してもお友達に無視されてしまったと思い傷ついてしまった留学生の方もいる様ですが、後から聞くとただ聞こえていなかっただけでした。

イタリア人は地声が大きいので耳が遠いですが、日本人や外国人にとってはヒアリングはとても容易だと思います。(家の中でも20メートル先でも聞こえる位の大声で話すのは止めて欲しいと思いますが)

だからテレビのボリュームも大きいですが、何をやっているのか分かりやすい人達だと思います。

3.お店やバールに入ったら、店員さんや周りのお客とちょっと世間話をしてみよう!

くだらないことでもいいのです。コミュニケーションの国なので、喋らないよりは喋った方が絶対にいいです。喋ってプラスになることはあれど、マイナスになることはありません。

特にローマは気軽に話す気質です。バールでは、コーヒーを頼んだら待っている間に、お店の人に"今日は暑くなりそうですね~。" とか、"おや?お宅は豆乳カプチーノもやってるんですか!" などと話してみましょう。普通は話しかけると喜ぶと思います。

↑ ローマ中心部のとあるバールにて。これ全部一人分で4ユーロ。

イタリアには、夕食前にアペリティーヴォ(Aperitivo 食前酒という意味)をとる文化があります。

アペリティーヴォとは、夕食前に軽く食前酒を飲みながらちょっとしたものをつまみ、食前酒によって食欲を増進させ、夕食までの時間をつなぐもので、イタリア人は、夜、外食や映画などに本格的に出かける前の友達との待ち合わせ場所としても、また単純に社交の場としてもアペリティーヴォを利用します。

↑ お店で何にしたら良いか迷ってしまったら、お奨めは何か尋ねてみましょう!

4.人ごみや混雑しているバス・電車の中を移動する時は必ずペルメッソを言う!

車内や人ごみで混雑している場所を通してもらう時は、絶対に無言ではいけません。すみません、通して下さいの意味の "ペルメッソ!" を周りの人に向かって言うのがマナーです。

これを言って出口まで進んでいかないと、行儀の悪い奴だとすごい目つきで睨まれることがあります。無理やり押し進んで行ってはいけません。意思表示をすれば、道を開けてくれます。

ちなみに道を歩いていて人と肩がぶつかったり、足を踏んでしまったら、すみません!というのもマナーです。

逆に車内で足を踏みつけられた場合でも、"ちょっとすみません、足を踏んづけています、止めて下さい。" とはっきり口に出す国です。

ということで、基本的に以心伝心はないと思って下さい。

深い仲になればイタリア人とはいえ察してはくれますが、日本と違って、言ってなんぼの世界です。

黙って待っていたら何もやって来ません。言いたいことややりたいことがあれば、こちらからアクション、アクション、アクションです。本音と建前がなく人の心理を深読みしなくてもいいので楽な時もあります。

これは実話ですが、筆者の友人のお母さんの話です。

若い頃、夏のバカンスでペルージャからローマに来ていて、一人でバールに入りました。

カウンターでカプチーノを頼むと、隣で立ってコーヒーを飲んでいたおじさんと何となく世間話に入りました。

話はペットの話などで盛り上がると、おじさんは、"お嬢さんはとても感じのいい子だから、アイスクリーム(ジェラート)もおごらせて貰えるかい?" と申し出てきました。

彼女はもちろんOK しました。

食べ終わり、"おいしかったです。ご馳走になりましてありがとうございました。" とお礼を述べたところ、おじさんは、実は今、職場に空きのポストが一つあるんだけど、ローマに来て働く気はない?と言います。

採用試験は形だけのものであって、受けに来てくれればいいよ(合格だよ)とのことです。

昔の話なのでありえたと思いますが、おじさんは県庁に勤める役職付きの人でした。

こうして、おじさんの寵愛を受けた友人のお母さんは定年まで正職員として働きました。

以上、イタリアと日本文化のコミュニケーションの根本的な違いについて書いてみました。

みなさんの旅行ヒントになれば幸いです。

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