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イタリアで最もおめでたいことの一つは、大学の卒業式!
小学校でも落第がある国だから(一人知ってます)、イタリアの大学は卒業するのは本当に難しく、入ったはいいけれど誰でも出れないのです。
だから卒業式は遠方からも親戚が駆けつける、人生の中の一大イベントです。
そして今日の午後、筆者も卒業した国立ローマ大学(ラ・サピエンツァ)に通う友人が卒業することになりました!
↑ 卒業できた~!すぐにシャンパンでお祝い。
イタリアでは大卒は大変名誉あることなので、どこの家も遠方から親戚が来るわ来るわ~。
歩けない超高齢のおじいちゃんまで車椅子をレンタルして、孫の卒業の瞬間を一目見ようとやって来るんですよ。
犬・猫などのペットも全部引き連れて家族総出でやって来る人もいます。
何故こんなに一大イベントになってしまうのかといえば、イタリアの大学は卒業するのが至難の業だからです。
この国は大卒者の数が19.8%で、ヨーロッパ27カ国で最下位です。この記録は今年も破られていません。
これでは他の国に遅れをとってしまうということで、2020年には26~27%を目標とするように国をあげてがんばっている最中ですが、大臣達は迷走中なのでどうなることやら。(ちなみにヨーロッパ平均は35%)
大学は国立がほとんどですが勉強が冗談抜きで超ハードな為、途中で挫折してしまう中退者が非常に多いのです。
↑ ローマ大学は1303年創立です。イタリアでも最も歴史が古い大学の一つ。
マンモス校なので、住所の名称は "大学都市" となっています。
↑ ローマ大学などの国立の伝統校は、輪をかけて一つ一つの試験の評価(点数)も厳しいのです。
そんなこんなで大卒者は貴重なので、イタリアでは名刺にも "大学卒業者"という肩書きを入れます。(高卒者も低く約45%)
ところで、卒業式と書いてしまいましたが、イタリアの大学には卒業式というものはありません。
各々が担当教授からOKを貰った卒業論文を(これも一冊の本になる位の素晴らしい量!)指定された日(卒業試験日という)に持って行き、口頭で数人の試験官から質問を受けて、それに見事答えられ、卒業に値すると判断されれば無事卒業となります。
卒業時貰える点数も重要で、イタリアでは履歴書などには必ずこの点数を記入します。
在学中に単位を取った全ての試験の平均点を算出したものに、この卒業試験の得点を加算します。110点が満点となります。
↑ お友達の場合、卒業試験に試験官は13人いました!
日本の会社の就職面接にさえこんなにいないかもしれません。
どんな質問が出てくるか分からず、最後の最後まで気を抜けないのがイタリアの大学。精神力が強くないとやっていけない世界なのです。そして、試験官から飛び出る予期せぬ質問にもパスして、無事卒業となったのでした。
さて、そんなローマ大学を観光スポットとして訪れてみませんか?
場所はローマ中央駅テルミニ駅から徒歩10分で、生徒でなくとも散歩したり、大学付属の博物館などを見学することが出来ます。(土日はクローズ)
のんびりの国のイメージとは違ってお勉強は厳しい実はやる時はやるイタリア。
大学都市ではいつもの軽~いかんじの陽気なイタリア人とは違う、別の顔も垣間見ることが出来ます。