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観光ガイドブックなどには、ほんの一部の教会が紹介されているだけですが、実はローマには大聖堂や教会内に美術・芸術作品が溢れかえっている美しい教会がたくさんあります。
教会にもそれぞれ個性というか雰囲気(明るい感じ、重厚な空気など)があり、いくつ教会を訪れても一歩中に入ってみないとそこがどういう世界なのかわからないということがあり、なかなか面白いです。
日によって内部の雰囲気が全く別のものに変化していたり、外観は質素な感じなのに中に入ると豪華絢爛だったりして面食らうこともあります。(その逆もあり)
そして、教会にも匂いの違いがあります。いい匂い(食べ物系ではありません)をさせている教会は眠くなりますね。
大聖堂や教会を訪れる時、内部を見終わったら、回廊(イタリア語でキオストロ Chiostro)や中庭があるかどうか確かめてみて下さい。
もしあれば回廊(と中庭)の見学もお奨めです。
この部分では大昔、薬草を育てていたりして教会の重要な機能の一つを占めていた場所です。
現在でも、中庭をきれいに手入れしてあり、中庭をぐるりと取り囲む廊下部分に貴重な美術品を展示していたり、博物館をひっそりと併設していたりします。
ローマで是非訪れて欲しい回廊は、サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂とサン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂です。下記の写真でご紹介します。
↑ まずは、サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂の回廊です。13世紀前半につくられました。ヴァッサレット一族による、"コズマ風建築"(12~13世紀初めにかけて4世代にわたり、床面のモザイク装飾などを手がけたローマ出身の職人コズマさんのファミリー)で造られた美しいモザイクの装飾が見所です。
↑ 回廊は見学するのに入場料(1~2ユーロ程度)が必要な所や、中には無料で親切なシスターさんが見所を案内してくれる教会もあるので、そのような教会では見終わった後に喜捨をすると良いと思います。サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂の回廊は、回廊の入口で「Opera Romana Pellegrinaggi(バチカン市国系列の巡礼旅行などを主催する団体)」のスタッフから入場切符(英伊仏独西の5ヶ国語から選べるイヤホンガイド付き/お一人様5ユーロ)を購入する必要があります。
↑ この様な感じで、美術品や昔の古い教会を取り壊した時に保存された建造物や石碑の一部分などが展示されています。大聖堂では本格的な博物館が併設されていることもあり。
↑ サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂の回廊。
回廊は見学時間の制限はないので、読書や勉強、日向ぼっこをしたりしてリラックスして見て下さい。残念なことに、あまり存在が知られていないのと、時間がなく内部の見学だけで教会を後にする人が多いので、回廊にはいつも人が少ないです。ご覧のように人っ子一人写っていません。
行き方:
サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂は地下鉄A線 サン・ジョヴァンニ駅で下車、サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂は地下鉄B線 サン・パオロ駅で降ります。
どちらも教会の名前が駅の名前になっていることからわかるように、駅前にあり徒歩2分程度ですので誰でも簡単にわかると思います。それではまた、教会でお会いしましょう!