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ローマから日帰りで行ける珠玉の町シリーズ 〔お奨め!日帰り旅〕の第一弾として、 世界遺産のヴィッラ・アドリアーナ(ハドリアヌス帝の別荘)からリポートしたいと思います。
最近のローマは暑くなりました、現在の気温は33度です。
ローマと日本の夏との違いは、ここではいくら日中が暑くても、日が落ちる夕方からはVenticello ヴェンティチェッロ と呼ぶそよ風が吹きはじめ、気温が徐々に下がり過ごしやすくなります。
しかし地元のお年寄りコミュニティは、
「ここ数年、ヴェンティチェッロが吹かなくなってさ、最近は夜中も暑くて嫌になっちゃうよ。あんたは寝れるんかいな?ローマは昔は必ずこの風がどこからともなく吹いてきて涼しくなったものだよ。」 とぼやいております。 これも温暖化や大気汚染の影響でしょう。
それでは早速、この世界遺産がいったいどういうところなのか、ご紹介したいと思います。
壮大な建築物と美しい自然の融合例、世界遺産 ヴィッラ・アドリアーナ
ハドリアヌス帝の別荘は、ローマから北東に約31km (バスで約50分) のTivoli(ティヴォリ)という街の近くにあります。(ちなみにティヴォリ周辺は温泉で有名です。今後の入浴レポート 乞うご期待。)
ローマから少し離れるともう緑がいっぱいなんです!
今回、お奨めする旅人は、
ローマの喧騒から逃避したい旅人、
自然の中でぼ~っとしたい旅人、
人がなるべくいないところが好きな旅人、
古い歴史の重み(日本の弥生時代くらいのお話なので、古いというよりは"古すぎ"ますか?)を感じてみたい旅人など です。
広大な別荘のプラスティックモデルを見ながら、さぁ、どこから見学する?
入場するとすぐに大きな池がお出迎え。遠くにティヴォリの街を抱く山々が見えます。
ハドリアヌス帝の別荘のご主人、ハドリアヌス帝は、別名"旅する皇帝"と呼ばれ、ローマ帝国の皇帝としての在位期間中(117~138年)その多くを属州の視察旅行に費やしました。
ハドリアヌスはトライアヌス帝より始まる、俗に言う五賢帝の二人目でもあり、ミニ知識ですが、外見的な特徴として彫刻像などでは口髭を生やしている皇帝がずばり彼です。
なかなか面白い人物なようで、個人的には、会ってみたいなぁ~と思わせる歴史上の人物の一人です。
この皇帝は幼い頃よりギリシア文化に陶酔し(ひとことで言えばギリシャかぶれです)、ギリシア留学を経験、美術や建築にも造詣が深く、今でもローマ市内に残っているパンテオンの再建や自分自身の霊廟として作らせた、現サンタンジェロ城などの建設を行いました。
別荘は、さながら彼のギリシャ趣味の集大成といったところで、ローマ帝国内を視察中に旅先で見て素敵だったギリシア(特にアテネ)や、エジプトで恋した美しい建築物や景観を再現、自らギリシャ彫刻やモザイクなどを別荘内に大量に集めました。
大理石を組み合わせて作ったカラフルな当時の床がまだ残ります。さすが皇帝のお宅、床までも時間をかけて丁寧に造っています。
器用な彼は、自らこの別荘の設計も手がけ、考古学的にも壮大な建築物と美しい自然の融合は比類のもの(ユネスコ世界遺産1999年登録)であり、今世になっての発掘の際、大理石の美しい彫刻や端正でカラフルなモザイクなどが大量に出土しました!
出土品は、現在主にローマのヴァティカン博物館、カピトリーニ美術館に展示されています。これらの博物館はローマの中心部にあるので、興味のある方は一緒に行きましょう。
それでは長くなってしまったので、次号(その2)にていよいよ内部を訪れます!
美しく手入れされた池の周りをぐるっと一周してみよう。亀ものんびりと日光浴でした。
インフォメーション:
住所 Largo Marguerite Yourcenar 1, Villa Adriana, Tivoli
開館時間 毎日(1/1と12/25を除く)。9:00~19:00(5/1~9/30まで)、9:00~18:30(10/1~10/26まで)、9:00~17:00(10/27~12/31まで)なお、切符の販売は閉館1時間半前に終了。
入場料 11ユーロ
*2013年3月28 日~ 11月3日までMarguerite Yourcenar(マルグリット・ユルスナール)の"ハドリアヌス帝の回想"特別展が行われているため、入場料は展示見学込みの11ユーロ
行き方 ローマの地下鉄B線のPonte Mammolo(ポンテ マンモーロ)駅から出ているCOTRAL社の青いプルマンで所要約50分。月~土曜日は午前6時10分から約10分おきに1本ある。日・祝日でも1日64便運行。プルマンはヴィッラが終点のもの、最寄りの駅からヴィッラまで300mもしくは1km程度距離があるものがある。運転手にヴィッラアドリアーナを訪れたいと伝えて、一番近い停留所で降ろしてもらいましょう。切符は片道2.2ユーロ。
*この記事のタイトルをクリックしてページ一番下に行くと地図でハドリアヌス帝の別荘の位置を確認できます。