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イタリア人は普段からとにかく良く食べますが、特にクリスマス、イースターなどのイベントの際は私達日本人にとっては信じられない程の量の料理が食卓に並びます。
美食の国イタリアとはいいますが、クリスマス、イースターでいつも思い出すのは古代ローマ人の食生活のお話です。裕福なローマ人の家庭では、食卓の上に全世界から集められた食物が並び、最初はワインを飲みながらオリーブの実や卵などでオードブルを楽しみ、次に魚や肉を食べ、最後はザクロとケーキなどのデザートを楽しんでいたそうです。ローマの哲学者セネカは「食べるために吐き、吐くために食べているのだ。」と記していますが、彼らは満腹になると鳥の羽を喉に入れ、すっかり吐いた後、また満腹になるまで食べ続けたといいます。すごいですね。
筆者もクリスマスイブ(12月24日)から聖ステファンの祝日(12月26日)までイタリア人のご家庭に招待されていたので3日間食べ続けました。皆と一緒に暴走しないように(!)気を付けて食べていたので、体重は1キロの増量ですみました。(ホッとしています・・・)
今回から2回に渡り、24日(夕食)、25日(昼食)、26日(昼食)のお食事の様子をお届けしたいと思います!まずはクリスマスイブ(12月24日)の日のディナーからです。
↑ 生後2か月の小さな招待客さんもいました。
↑ 12月24日の夜です。イタリアではこの夜は人々は家で過ごしたり、レストランなどでお食事をしているので道を歩く人はいつもより少ないです。クリスマスのイルミネーションが見えます。
↑ クリスマスイブのディナーは総勢18名でした。21時30分に到着すると既にテーブルの準備が出来ていました。
手前に見えるのはアンティパスト(前菜)の一つでオレンジのスライスです。オレンジをペペロンチーノ(唐辛子)とオリーブオイル、塩で和えたものです。オレンジはとてもジューシーで甘いのに唐辛子がピリリときいていて、なかなか良いアイディアだと思いました。
↑ イブの夜はお魚料理がメインなので前菜のお魚が見えます。
写真中央のサーモンのお刺身は上にオリーブオイルとシチリア島産のレモンをキュッと絞っていただきます。
↑ 台所にお邪魔して奥様方の調理の様子を見せてもらいました。
これはカンネッリ(Cannelli)という貝で、軽く塩茹でしたものをツルっと食べるのですが、日本語で何というか忘れてしまいました。すみません。
今、洗ったばかりなのでまだ生きています。
↑ この丸い貝もおいしいです。ファソラーリ(Fasolari)というのですが、同じく軽く茹でたものをいただきます。貝の種類に詳しくないのですが、この貝は日本でも食べられていますか?
生息地域を調べてみるとどうやら地中海地方特有の貝のようですが、日本語にも呼び名があるのか分かりません。
また写真には写っていませんが、この他にテッリーネ(Telline)という貝もありました。
テッリーネは日本語ではニッコウ貝というそうです。筆者はこの3種類の中ではテッリーネが一番気に入りました。貝は桜貝にそっくりで味はシジミに激似です。(^ ^)
テッリーネは地中海や黒海沿岸で食べられるそうです。
前菜なので貝類はそれぞれ2キロずつ準備したということですが、といっても貝だけで6キロとはすごい量でした。
↑ こちらは塩ダラの前菜です。ニンニクで味付けがしてあります。オリーブの実は家のオリーブの木から収穫したものです。
↑ こちらはオリヴィエ・サラダです。イタリア語でインサラータ・ルッサ(ロシア風サラダ)という名の通り、ロシア料理のサラダの一つです。脇役のパンに至るまで全て手作りなので奥様は準備が大変です。
↑ 前菜が終わると、プリモ・ピアット(第一皿目)のマグロのパスタが来ました。
このパスタのソースはトンナレッリ(Tonnarelli アブルッツオ州の断面が四角いパスタ)に良く合います。新鮮なマグロをトマトソースで調理したデリケートな味のソースです。
↑ ベルギー風サラダです。サラダの材料はニンジン、レタス、フェンネル、赤チコリ、グリーンオリーブ、セロリ(根元の白い部分のみ)、リンゴです。フェンネルやセロリが入っているのでさっぱりしたお味です。
↑ こちらはイタリアではお馴染みのルッコラとトマトのサラダです。トマトが隠れてしまって見えませんが、通常はミニトマトはダッテリーニというナツメヤシの形をしたものを使います。イタリアのトマトにはたくさんの種類があります。
この後、セコンド・ピアット(第二皿)として各人に鯛のグリル焼き(大きな一匹の半分)、赤座海老と車海老のグリル焼き(大量)が来たのですが、食べ過ぎでこの辺りから意識が遠のいてしまった為、筆者は写真撮影の続行が不可能となりました。
ですのでこの次のお写真はメインのデザートも飛ばし、いきなりドライフルーツからです。
↑ ということで、筆者の意識が朦朧としている間に2時間半が過ぎ、気づくとデザートのケーキが終わってドライフルーツが来ていました。(ドライフルーツから参加 ♪)
こちらはアプリコット、イチジク、ヤシの実のドライフルーツのお皿です。その他には通常、ミカンや洋ナシ、リンゴなどの入った果物籠(特にミカンはクリスマスを彩るフルーツ)、クルミやアーモンド、ブラジリアンナッツ、ヘーゼルナッツなどのナッツ籠が振る舞われます。
これらのお食事はお酒が常に伴っています。日本人の場合は食べ飲み慣れているイタリア人とまともに張り合おうなどと無茶なことは考えず、最初から控えめの摂取に徹しましょう。
こういった日は、少しつまみながら食前酒、全員集まると乾杯用のスプマンテ(シャンパン)、そしてお食事中は赤ワイン、白ワイン、最後は食後酒(とエスプレッソ・コーヒー)で厳かに締めくくります。
↑ 手作り焼き菓子のコーナーです。
マンドルレ・グラッサーテ(Mandorle grassate)というアーモンドを砂糖とカカオでカラメルがけしたもの、ブルッティ・マ・ブオーニ(Brutti ma Buoni レシピは下部リンク)、チャンベッリーネ(Ciambelline 焼き菓子でビスケットの一種)、トローネ(Torrone アーモンド、卵白、ハチミツなどを混ぜて焼いたクリスマスのヌガー菓子)、トッツェッティなどが出ていましたが、もう満腹で目が霞んで良く見えませんでした。
2014年12月24日:X'masのおいしいお菓子作り。マンマ伝授のレシピ "不恰好だけどおいしい" という名の焼き菓子、ブルッティ・マ・ブオーニ。こちら
いよいよ明日のクリスマスはお肉とクリスマスケーキの出番です!
次回に続きます。