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Alte Maa(アルテ・マー)は、アッペンツェラー地方では昔からのお馴染みメニュー。
Alte Maaとは、この地域のアッペンツェルドイツ語で「歳をとった男(Alter Mann)のようです。
パンとチーズを使った料理、と言うとたいして珍しくもありませんが、ポイントは「農家の人々が、古くなったパンをどうにかして美味しく食べようとしていたら生まれちゃったレシピ」と言っても過言ではない、その簡単さです。
なんせ、古くなってカチカチになったパンに、地下室にたくさん保存してあるチーズとバター、そして、取れたての牛乳を合わせただけなのですから。
主婦が「今日は料理したくないなぁ、サボりたいなぁ」と思ったときにピッタリの、たくさん食べる男性にもウケがよかったお手軽料理だったのだと想像します。
昔は手に入れるのが難しかったからか、オリジナルと呼ばれる昔のレシピには、高価だったペッパーや新鮮なハーブは使われていません。
たしかに、秋冬だと雪が降り積もっているアッペンツェルの庭でハーブは採れませんよね。
今は、上にフレッシュハーブを散らしたり、ペッパーをかけたり、中にはカレーパウダーをかけたりすることもあるようですが、そこは伝統にこだわる(?)アッペンツェルの人々。
「そんなものは邪道」とする声もまだまだあるようで、我が家ではペッパーなし、もしキッチンの鉢のハーブが元気ならそれを摘んで散らす、くらいにしています。
オーブンで焼くのですが、薪をくべて火を起こすオーブンを使っていた時代のことなので、なんと温度設定がありません。
とにかく焼いて、いい色になったらオーブンから取り出して熱々を食べるようです。すべてが簡単! 失敗もなし!
私はいつも、だいたい180度のオーブンで15分くらい焼いています。
少しカリカリした方が好きなので、あえてキツネ色より茶色いくらいまで焼くことも。
いい意味で適当な料理なので、ちょっとお疲れのときなどお試しのチャンスかもしれません。
(本当は、もっとサイコロ型にコロコロしているのですが、我が家はチーズを大量に投入するのでこんな感じに仕上がります・・・)
<材料>4人分
・アッペンツェラーチーズ(Rässkäse)200g
・バター 大さじ2
・パン(白でも黒でも。古くなって硬い方がよい)400g
・牛乳 200cc
・生クリーム 500cc
※チーズはお好みのものでOK。
※パンは柔らかいとうまく調理できないので、新しいものならハードタイプのパンを選ぶのがオススメ。
※牛乳と生クリームを合わせて700ccあればいいので、あっさりタイプが好みの場合は牛乳の割合を増やしてもOK。
※少しクリスピーにしたいときは、牛乳と生クリームの量を300ccくらいにするといいようです。
<作り方>
1)パンをキューブ状に切る。大きさはお好みで。ちなみに我が家では2cmから3cmの大きさにしています。
2)フライパンにバターをひき、パンを炒める。
3)カップに牛乳と生クリームを入れ、塩を入れる。
4)パイ皿などに炒めたパンを入れ、その上にすりおろしたチーズをかけ、そこに牛乳と生クリームを注ぎ入れる。
5)少しパンをかきまぜて、牛乳と生クリームが全体に行き渡ったらオーブンで焼く。
ところで、アッペンツェラーチーズって何?という声が少し聞こえてきそうです。