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"美食の国 イタリア" と呼ばれますが、人々は食に大変重きを置いています。
筆者の周りのイタリア人は、特に若い世代はファーストフードやジャンクフードを食べる人もいますが、全体としてみると大方の人は自分の口に入れるものに注意をはらっているように思います。
筆者と同年代か、それより上の世代の人達は、子供の頃に母親からおやつに対してお小言をいわれた経験のある人も多く、「ポテトチップスは体に悪いから絶対食べちゃダメだってお母さんにいわれた!」という人を数人知っています。
そういう人達に、それでは小さい頃はおやつに何を食べていたの?と聞くと、帰って来る答えは"お母さんの手作りチャンベッローネ(Ciambellone 直径が30cmくらいあるドーナツ型の小麦粉と砂糖を混ぜて焼いたケーキで、味はレモンの絞り汁を入れるレモン味とココアパウダーを入れるチョコレート味などがある)" や、"クロスタータ(Crostata ジャムがのっているタルト)" などの家で焼いたお菓子か、ドライフルーツなどを食べていたそうです。
WHO世界保健機関の国別平均寿命ランキング(2013年)によると、イタリア人の平均寿命(男女)は83歳でWHO加盟国194カ国中第2位で、世界の中でも最も長寿な国民となっています。
食に一家言ある人も多いので、食品添加物(着色料、保存料など)が入っている食品は当然の様に嫌がられます。しかし、これはとても良いことだと思います。イタリアでは作り置きドレッシングはなく、野菜サラダはテーブルに来たら各人でお好みでオリーブオイルや塩、バルサミコ酢などをかけます。
イタリアで登場回数の多い調味料ベスト5 といえば下記の5点だと思います。
↑ まず一つ目、とにかくイタリアで一番大切な調味料といったらエキストラバージンオリーブオイルではないでしょうか!どんな所にも登場するオリーブオイルのパワーは最強です。
(写真はカンポ・デ・フィオーリ広場 Piazza Campo de' Fiori の朝市)
↑ こちらはバールで頼んだ「お魚づくしのアペリティーヴォ(Aperitivo 食前酒という意味)」です。
イタリアでは、夕食前に軽く食前酒を飲みながらちょっとしたものをつまみ、食前酒によって食欲を増進させ、夕食までの時間をつなぐ文化があります。大食漢の彼らにとっては夕食前のウォーミングアップといったところですが、私達日本人にとっては本当の夕食のようになってしまいます。バールやカフェなどでは夕食前の17~22時頃までアペリティーヴォサービスを展開していて、料金は安いお店でお一人様4ユーロ位からです。
筆者の家の前のバールでは、この「お魚づくしのアペリティーヴォ」は8ユーロでパン、前菜、お魚の料理、飲み物(写真右上に貼り付けました。筆者が頼んだのはカンパリです)が付いてきます。
黄色く見える調味料はオリーブオイル、手前の焼きナスのソースはバルサミコ酢です。これらの上に少しお塩を振っていただきます。ですので、二つ目、イタリアの食卓に欠かせないのはお塩です。お塩は特にシチリア島産のものがおいしいです。
↑ 「お魚づくしのアペリティーヴォ」に含まれるトマトとアンチョビのブルスケッタです。
この上にもおいしいオリーブオイルは欠かせません。アンチョビが塩辛いので、ここには塩はかけません。
↑ 続いて、夏の昼食の模様ですが、手前の筆者が頼んだサラダはルッコラ、パイナップル、干しブドウと松の実のサラダです。黒いソースはバルサミコ酢をかけました。バルサミコ酢も登場回数が多いですね。
↑ こちらはお馴染みのルッコラとミニトマトのサラダです。イタリアのトマトにはたくさんの種類がありますが、こちらのサラダのミニトマトはダッテリーニというナツメヤシの形をしたものを使います。
ここにかける調味料はワインビネガーです。ワインビネガーも登場回数が多いです。酢は疲れが取れますので積極的に使うととても良いです。
↑ 五つ目に良く使用するのはレモンです。
レモンはお肉にかけたり、お魚にかけたり、お好みでありとあらゆるところに使えます。写真はお魚のフライです。
↑ メカジキがおいしくて昼から癒されます。
↑ 写真中央に見えるサーモンのお刺身は、上にオリーブオイルとシチリア島産のレモンをキュッと絞っていただきます。
ということで、家庭に
-エキストラバージンオリーブオイル
-塩
-バルサミコ酢
-ワインビネガー
-生レモン
の5点があれば、シンプルで素材の味を生かしたおいしいお料理を召し上がれますよ。
シンプル・イズ・ベストです!