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アッペンツェル生まれのアーティスト ロマン・シグナー

ヘス順子

ヘス順子

スイス特派員

更新日
2016年5月29日
公開日
2016年5月29日
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アッペンツェル生まれのアーティスト、ロマン・シグナー(Roman Signer)。

1938年生まれで78歳の彼は、アッペンツェルの隣の州であるザンクト・ガレンに住んでいます(2016年現在)。

私が感じる彼の特徴は、

・空間をデザインする

・水や煙、火、風、時間、方向、動き、流れをテーマにしている

・からくり、おもちゃのような遊び心がある

・一色、なにかポイントをおいている

・カートや車などの機械との組み合わせ

ときにはダイナマイトで物を爆破し、その様を写真におさめています。

世界中の美術館・博物館での展覧会をしていますが、個人的に好きな彼の作品の楽しみ方は「公園で作品に触れる」です。

たとえば、アッペンツェルのお隣の州・ザンクト・ガレン駅から徒歩5分ほどの場所にある公園。

名前はわかりませんが、バス停「Poststrasse(ポストシュトラッセ)」のすぐ隣にあります。

遠くから見た、その公園。

ハーブや草花が植えられた、とってもシンプルな公園で、特筆すべき特徴は見られないようですが・・・よく見ると赤い何かが見えます。

これが、彼の作品です。

赤いバケツ(ドラム缶?)から、止まることなく吹き出す水。

下のコンクリートに水が打ち付けられています。

バケツから水が噴き出て、空中を躍動的にうねるように通り、コンクリートに打ち付けられ、しぶきをあげる、この流れ。

そして、赤いバケツと、その他の色とのコントラストがおもちゃのようで、見ているだけで楽しくなってきます。

他にも、スイス国内Solothurn(ゾロトゥーン)のStiefelbrunnenに彼の作品が。

長靴(ブーツ)が宙に浮いているようなデザインのオブフェが、プールの真ん中に設置されていて・・・

これが、ロマン・シグナーの手にかかると「動き」が加えられるので・・・

こうなります。

黒いブーツは、水を放出しながら鉄棒を軸に大空めがけて大回転!

真っ青な空を背景に、永遠とくりかえすこのオブジェを見ていると、ロマン・シグナーに近づけたような気持ちになりました。

スイスの自然の中にさりげなく置かれている作品は、もしかしたら彼の手がけたものの1つかもしれません。

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