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イタリア半島ではここ3週間程、暑い日が続いています。
地中海に周りをぐるっと囲まれたイタリアは気候区分では地中海性気候です。地中海性気候といえば、"夏は湿度が低い為カラッとした暑さで、冬は雨が多く温暖" なのが特徴ですが、こちらローマは海が近いので夏は若干、蒸し暑いです。(日本並みの蒸し暑さではありませんが、ローマの7月の平均湿度は67%あります)
今日の夜にイタリアの8月1か月の天気予報の速報が出ましたので、次回の記事にて、8月の予報の内容と、夏場の暑い時期での観光の注意点とアドバイス、対策方法についてまとめたいと思います。今回は、最近のイタリア半島の暑さとその状況についてお届けします!
ところで下の写真はちょうど10日前に、友人がローマ市中心部で撮影したものです。町の薬屋さんの気温計です。
↑ イタリアの日差しは突き刺さるように強烈ですので、女性の方は美容の為に日焼け止めを塗る云々よりも、まず頭を隠すことが大事です。なるべく顔がすっぽりと隠れるつばの大きいもので頭をガードしましょう。頭が一番最初にやられてはいけません!
この暑さの原因なのですが、アフリカからカロンテおじさんがやって来ているのです。
↑ カロンテおじさんの支配圏マップ!!
地図の下側にあるアフリカでは炎が出ているのが見えます。幾つかはイタリアにも飛び火しています。イタリアは燃え尽くされてしまうのでしょうか・・・。(はい、8月は残念ながらそうなりそうですね-8月の予報を知ってしまった筆者の心の声)(マップは Il Meteo より借用)
現在イタリア半島で暑さが続いている原因は、高気圧のカロンテおじさんがイタリアを中心として西はスペインから東はトルコ辺りまで居座ってしまっているからです。(上部のマップ参照)
ところで高気圧の"カロンテおじさん"は一体何者でしょうか?
↑ 怖いですね、カロンテおじさん。
カロンテおじさんは(Χάρων, Charōn/日本語ではカロン)ギリシア神話に登場する地獄の渡し守です。
冥界の川スティジェで死者の魂を小舟に乗せて彼岸へと運ぶ、渡し守のお仕事をしている方だそうです。と、真面目に書いて自分で少し笑ってしまいましたが、カロンテおじさんは二つの有名な文学作品にも登場します。古代ローマの詩人ウェルギリウスの叙事詩「アエネーイス」とイタリアの詩人ダンテの「神曲」です。
ダンテはおそらく1300年代前半に書いた「神曲」の"地獄篇"の中で、カロンテについて、"カロンテは赤く焼かれた目を持ち、私達の国(イタリア)に暑さと蒸し暑さをもたらす。"と記しています。(写真は Il Meteo より借用)
天気予報によると、只今この冥土の渡し守カロンテおじさんがイタリア半島を支配している為、イタリア半島全体で気温が高くなっているそうです。イタリア20州のうち、多くの州で気温は30度以上を観測しています。
特にカロンテおじさんはアフリカの熱風を海越しに強烈にイタリアに吹き付けて来るので、蒸し暑さがひどくなっています。一日の中で湿度がより高く感じられる時間帯は、早朝、夕方から深夜にかけてです。
一方、おじさんの支配をあまり受けないイタリアのゾーンは、海岸沿いと1500メートル以上標高のある山です。これらの山の場合、気温は25~26度以上になることはないでしょう。暑さが苦手な方は、これらの地域に避難するのも良いでしょう。
↑ もうここから出たくないの。
ということで、まだまだカロンテおじさんはイタリア半島に居座るそうなので暑さは続きそうです。次回は8月1か月の天気予報と、夏場の暑い時期のイタリア観光の注意点とアドバイス、そして対策方法等についてお届けしたいと思います!