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【イタリア中部地震】8月24日の地震M.6.2に伴う被害について(加筆9月3日13時50分)

阿部 美寿穂

阿部 美寿穂

イタリア特派員

更新日
2016年8月25日
公開日
2016年8月25日
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イタリア中部で8月24日未明にマグニチュード6.2の大きな地震がありました。

地震の震源地は「イタリアの緑の心臓」と呼ばれるウンブリア州のペルージャ県ノルチャ(Norcia)の東10キロで、今回の地震ではノルチャの南東方向にある3つの市(アックーモリ Accumoli 、アマトリーチェ Amatrice、アルクアータ・デル・トロント Arquata del Tronto)に特に被害が集中しています。ローマとこれらの地震の震源とされる地方には約150キロの距離があります。

↑ 地震発生時(8月24日午前3時36分)のイタリア半島の様子。

(引用:Istituto Nazionale di Geofisica e Vulcanologia/サイト

↑ 被害の大きかったアックーモリ、アマトリーチェ、アルクアータ・デル・トロントの3市です。

イタリアには州は全部で20州あります。地震が発生したこの辺りは丁度4つの州の州境となっています。州は右上から時計回りに、マルケ州(州都はアンコーナ)、アブルッツォ州(州都はラクイラ)、ラツィオ州(州都はローマ)、ウンブリア州(州都はペルージャ)です。行政単位としてそれぞれの州の中に県があります。例えば、首都ローマのあるラツィオ州には、ローマ県(正式にはMetropolitan City of Rome Capital)、ヴィテルボ県、フロシノーネ県、リエーティ県、ラティーナ県の5つの県があります。

速報では、死亡者295名、負傷者388名、行方不明者多数との報道がありました。現在まで余震は3500回以上観測されています。(速報:9月3日13時50分)

この地震の時の様子ですが、ローマでは2回、深夜に揺れを感じました。個人的な体感震度では2くらいだったと思います。午前3時36分にまず1回目の長い揺れがありました。窓の外でカモメが大きく騒いだので、「何だろう、今日はカモメ来てうるさいなぁ!」と思い目を覚ますと、その1~2秒後にいきなりガツンと来た感じです。動物はもう気配を感じていたのでしょう。カモメは色々なことを教えてくれる動物です。

そして暫くの間、窓枠がキシキシと音を立てていました。2回目はその1時間後の4時35分頃にありました。1回目の地震で驚いて道(外)に出る人もいて、皆目が覚めてしまったのか、その後は多くの家で電気が点いていました。震源地の近くに住む友人に電話をすると、揺れは2分間以上続き、町では多くの人が不安になって外に出ていたそうです。

↑ 町の4分の3が崩壊してしまったアマトリーチェの空撮写真。

(引用:伊消防当局提供。(C)AFP/VIGILI DEL FUOCO)

また、先程、在イタリア日本国大使館より「地震発生に伴う被害及び余震等に対する注意喚起」連絡がありました。一部抜粋しますのでご覧下さい。

「在留邦人の皆様、旅行中の皆様」

この地震でラツィオ州リエーティ県を中心に死傷者が多数出ているほか、多くの建築物等が倒壊し、交通障害も発生する等の被害が発生しております。余震が断続的に発生しており、今後も本震で弱くなった建物の倒壊や地すべり、土砂崩れ等といった二次被害を含め、更に被害が出る可能性があり、十分な注意が必要です。つきましては、イタリア中部(ラツィオ州リエーティ県、ウンブリア州テルニ県、マルケ州アスコリ・ピチェーノ県及びフェルモ県並びにアブルッツォ州テーラモ県)に滞在中の方及び渡航・滞在を予定している方は上記状況にご留意の上、イタリア政府関係機関や現地報道等から現地の最新情報を入手し、状況に応じて旅行計画を変更・延期することも含め、自身の安全確保に努めてください。また海外渡航や在留の際に、緊急事態が発生した場合には、当館や外務省から随時情報を提供いたします。その際、在留届や外務省海外旅行登録「たびレジ」に滞在先や電話番号、電子メールアドレスが正確に登録されている必要があります。

イタリアに限らず海外へのご旅行前には、外務省の海外旅行登録システム「たびレジ」にご登録下さると安心です。

参考記事:

2016年3月31日号 いざという時、日本国から緊急時情報提供を受けられる海外旅行登録システム「たびレジ」こちら

筆者も明日より日本の報道機関と共に現地入りします。

またこちらにてご報告致します。

このブログを読んで下さっている皆様、どうぞ良い一日をお過ごし下さい。

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