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先週、ヨーロッパを記録的な寒波が襲いました。
特にイタリアでは、元旦頃から、1月5日から1月6日の御公現の祝日(エピファニア)の日にかけて大荒れになる予報が出ていた為、連休でも遠出せずに地元に残っていた人が多く、それ程大きな被害には至りませんでした。
筆者も、6日の祝日は昔3年近く住んでいたことのあるイタリア中部のペルージャに友人を訪ねる予定を立てていました。しかし、4日にその友人から連絡があり、ペルージャは雪でマイナス7度だと言うので、すっかり怖気づいてしまいました。結局行かずにローマにいたのですが、ローマでも5日、6日の丸二日、強風が吹き荒れ、歩道にはお店の倒れた看板や裂けた街路樹などが散乱し、初めて"北極からの強い寒気"と言うもののパワーとその恐ろしさを知りました。
大きな巨人が現れて(イメージの世界)、北極辺りの冷たい空気をヨーロッパに向けて"ふぅ~"っと吹くだけで、ヨーロッパ大陸は一瞬で凍結してしまうのです。自然の力はすごいです。
↑ 地下鉄A線のレプブリカ駅にある、共和国広場のナイアディ(妖精)の噴水です。
↑ 4日頃、これからやって来る非常に強い寒気に向けて、こちらの予報が発表されました。細かく気温が記されています。(3BMeteoさんより)
↑ 5~6日は、ローマは一日中強風は吹いていたものの、それ程寒くはありませんでした。急に気温が下がり始めたのは6日の夕方頃からです。7日はとても寒く、朝から使い捨てカイロを使用しました。熱帯地方の植物のバナナが地植えで実を付けるローマでこんなことは滅多にありません。
この写真はバルベリーニ広場のバロックの巨匠、ベルニーニ作のトリトーネの噴水です。実は7日の夕方19時には、まだ夕方に関わらずあちこちでローマの噴水が凍り始めているという情報を入手していたのですが、カチカチに石畳が凍結していて、暗くなってからの歩行は危ないということでしたので、8日の早朝まで待ちました。そして遂に7日の深夜にはマイナス6度まで下がりました。こちらは夜が明けた、翌8日の午前8時30分頃に撮影したものです。
↑ 噴水が凍って長いつららが出来ています。撮影時の気温は0度でした。今日は噴水から何やら白いものがぶら下がっているみたい?と不思議に思い、わざわざバイクや車を止めて見て行く人も大勢いました。
↑ 海の神トリトーンは海の神様なので、ホラ貝を吹いて海の波を立てたり静めたりして海を自由自在に扱います!
余計なことですが、ホラ貝を吹いているのですが、後から見ると冷水かぶりの荒行をしているかの様です。トリトーンのお父さんはポセイドンです。
↑ 呆気にとられる人々。噴水は固まっていますが、人も固まっています。
↑ 続いて、共和国広場のナイアディ(ナイアディとはニンフ、つまり妖精のことです)の噴水を見に行ってみました。カメラのシャッターを切るのに邪魔なので右手は手袋を外していたのですが、10枚も撮らないうちに手が寒さでみるみる固まって動かなくなって行きます。その後、手全体で肌色から赤色への激しい変化が見られました(観察)。
冬に手袋を出したのも11年ぶりです。噴水が凍っておかしなことになっているので、皆近寄って見ています。
↑ "地下水の妖精とドラゴン"です。ドラゴンも凍結されて死にそうです。
↑ 噴水の周りは、石畳に飛んだ水飛沫が凍って他の場所よりも滑りやすくなっているので、特に気を付けなければなりません。水盤の水が凍って、スケート場の様になっています。
↑ 噴水の全体像が良く分かる夏の様子です。噴水は、まずは1885年にアレッサンドロ・グエリエーリにより建てられました。
↑ 続いて、コロッセオへ行ってみました。ここも地面が凍っています!いつもの温暖なローマの冬からは想像が出来ません。ローマでは、雪が降るのは30年に1度程度です(2012年に26年ぶりに降りました)。
↑ 今日は僕達も防寒着(毛布)を貰っています!
観光馬車の仕事よりも、お客さん待ちで待機している時間の方が断然長いので、じっと動かずにいて寒くてさぞ辛いことだろうと想像します。本当に愛らしい馬達です。
↑ 次はヴェネツィア広場のヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂(通称:ヴィットリアーノ)です。こちらは日が落ちてから行きましたが、寒さの為、誰もいません!気温は1度です。人がいなくて静かにゆっくりと観光出来るので、(我慢出来れば)寒いのも良いです。
↑ 記念堂の左下に見える"アドリア海とライオン"の噴水です。男性はアドリア海の寓意像です。この噴水の水も凍っていました。ただ凍っているのは表面で、下まで完全に凍っている訳ではありません。数日前に、ジャニコロの丘にある噴水に何人か入り、落ちた事件がありました。それ以来、ここ数日は、幾つかの噴水はテープが張られて近づくことが出来なくなっています。この噴水もそうでした。凍っているので、面白そうと思って入ってしまうのでしょうか。
まとめますと、強い寒気は去りましたが、断続的に中型クラスの寒気がイタリア半島に入って来ています。ここ数日は、特にアドリア海側で大雪になる恐れがあります。
ローマの気温は予報では、2月1日まであまり変化はなく、ほぼ連日、最低気温1度、最高気温12度前後です。3日以降、最低気温の方が少しずつ上がって行く様です。
今後、イタリアにご旅行される予定のある方は、イタリア訪問日の少し前にTwitter経由などで筆者までご連絡いただければ、最新の予報と服装をお知らせ致します(˘︶˘).。.:*♡