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今回は、タンザニアでの暮らし・習慣の中で気付いたことを幾つかご紹介しましょう。
家では靴を脱ぎます
家に上がる時に靴を脱ぐのは日本独特の習慣、外国では靴は履いたままというイメージを
持っていらっしゃる方は少なくないと思います。
実際は、室内で靴を脱ぐ習慣のある国は結構あるようですが、タンザニアもその一つ。
玄関口またはテラスの手前で履物を脱ぎます。スリッパなどの室内履きは使いません。
人のお宅を訪ねる時は「ごめんください」に相当する"Hodi(ホディ)!"という挨拶が
あります。
※スワヒリ語の基本挨拶を覚えたら『通の顔して使いたい!スワヒリ語挨拶【上級者編】』も!
左手に注意!
左手を「不浄の手」と考え、モノの受け渡しなどに左手を使うのをご法度とする文化を持つ
国がありますが、タンザニアも同じです。タンザニア滞在中は左手で食べたり、左手でモノ
の受け渡しをすることは控えましょう。丁寧にモノを受け取る時は、差し出した右手に左手
を添えるようにして受け取ります。
"肩引きしぐさ"
私がいつも感心するのは、人混みを歩いていてもすれ違う時に体がぶつかることはまずなく、
皆さん見事に体を交わし合って歩くことです!
子どもや奥さんの体調不良に付き添う
子どもや奥さんの具合が悪いとき、ご主人方は仕事を早退または休みを取って付き添うのにも
感心します。
複業が当たり前
働き始めたばかりの若い人は恐らく除外としても、中堅社会人以上の多くが複数の収入源を
持っているのはちょっとした驚きです。
例えば、会社員をしていても賃貸物件を持っている、またはお店を経営している、あるいは
お店の店員をしていても養鶏をしている、販売用の農作物を作っているなどなど。ビジネスの
規模は小さくても、異なる分野に複数持っているのが特徴です。給与が不十分なケースも多い
のでうまいリスク対策だと思います。
上司に弱い
さて、タンザニア人にとって上司/雇用主に仕事などの進捗を尋ねたり、給料の支払を催促
することはかなり困難に感じるようです。進捗状況や給与支払はどうなっているのか、あるい
は忘れられているのか…当然気になりながらも、立場が上の人に対して個人的に確認すること
には慎重です。
そういう気質のためでしょうか。新聞で小学校の警備員への給与がなんと2年近くにも渡って
支払われなかったため、警備員もついに声をあげた結果、地方行政官が地元議会に支払を
命じたという記事がありました。(2016年10月26日付CITIZEN紙)
給与未払いが記事になることはそう珍しくはないのですが、いずれも未払い期間が格段に長い
点が目を引きます。その間の生活はどうしているのだろうと思いますが、きっとその職に留
まる何らかのメリットがあるのだろうと思われます。給与以外で非公式なお金を手に入れる
余地がタンザニアにはあるのです…。
タンザニアのお隣り・コンゴ民主共和国から移住してきたアメリカ人の友人は、タンザニア人
を"POLITE(礼儀正しい)"と表現していました。コンゴの人がストレートに話をしてくるのに
比べタンザニア人ははっきりものを言わず、控えめで遠回しな言い方をすると感じたそうです。
アメリカ人の彼からすると単刀直入なコンゴの方が仕事をしやすいとの感想でしたが、ここ
でもタンザニアの「立場を重んじ、わきまえる文化」が感じられます。
旅行でタンザニアを訪れる人はまた別の感想を持つかもしれませんね。
そして、タンザニア人をもっと深く知る機会があったら、きっとまた別の一面が見えてくると
思います。