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英語でカーニバル、ドイツ語でファスナハトと呼ばれる謝肉祭シーズンがスイスにもやってきました。
通常、「汚れた木曜日」と呼ばれる木曜日にファスナハトが始まり、「灰の水曜日」に終わるのですが、ここアッペンツェルでも木曜日に小さなパレードがあるんです。
14:00、アッペンツェルの目抜通りHauptgasse(ハウプトガッセ)に着く前に、なにやら賑やかな音が聞こえてきました。
始まったかな、と思っていたら、すぐに目抜通りから小さい「もの」がこちらに向かって小走りしてきます。
正体は、顔にヒゲを塗り、兵隊服を着て、下半身は馬になった(馬に乗った?)子供たちでした!
これは、Botzerössli(ボッツェレッスリ)というアッペンツェル名物の馬の仮装で、南ドイツから伝搬されたと言われています。
この道化師のような化粧をほどこした小さい馬たちがそこらを駆け回っていたら、大人たちもゾロゾロとやってきました。
そして、町の小さな水飲み場に集まって水を飲みます。
どうも、この「馬たちが暑まって水飲み場で水を飲む」ことがお約束のようで、パフォーマンスの一部だそうです。
ほっぺが赤くなって、くるんとヒゲが書かれていて、大人も子供も可愛らしいです!
その後は、まったくもってやる気のないミッキーとミニーもどきを先頭に、仮装した子供たちがダラダラ付いてきました。
そして、後から後から、仮装した家族がゾロゾロ、ゾロゾロ行進してきます。
お父さんとお母さんも同じ衣装で、「くま一家」や「きつね一家」、「ハチ一家」に「おばけ一家」など多種多様!
このやる気のないパレードが終わった後、目抜通りに場所を移し、音楽隊と一緒にリズミカルに行進。
ドラムが響き渡り、子供たちまで自然に足取りが軽く、踊ったような歩調になっていました。
馬たちも駆け巡り、紙吹雪を掛け合い、お菓子をもらったり・・・と小さいながらも派手で賑やかなパレードになりました。
平日ということもあり、参加者はお父さん、お母さんと幼稚園から小学生くらいの小さな子供たち、そして赤ちゃんでした。
ご近所さん同士が「あら、今年も最高の衣装じゃない!?」とか「あ、明日遊びに行くね!」とか言いながら、わいわいギャーギャーと騒ぐ姿。
いつもの落ち着いた、静かなアッペンツェルとはうってかわり、ここでもスイス人がはじけるのだな、と感慨深いパレードでした。
大きな街のファスナハトと違い、地元感あふれる、手作りの、家族や伝統を感じる小さなファスナハト。
この時期にアッペンツェルにお越しの際は、ぜひ足を運んでみてくださいね。