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俳聖 松尾芭蕉。
俳句に疎い方でもその名前は一度は聞いたことがあるでしょう。
「古池や蛙飛びこむ水の音」
という俳句が有名ですよね。
また全国各地を旅してつくった作られた「奥の細道」という俳諧紀行文は誰もがしるところ。
(学校でも習いましたよね。)
全国を旅してまわり一所に長居することのなかった芭蕉ですが、近江の国は大変愛していたようで生涯に何度も訪れており、
実は芭蕉のお墓は大津の「義仲寺」にあります。
(義仲寺については次回・・・)
そんな芭蕉が晩年に4か月もの(芭蕉の滞在時間としてはかなり長い)期間を過ごしたのが大津市国分にある「幻住庵」です。
「幻住庵」があるのは「瀬田の唐橋」から西へ進んだ石山寺の奥にある国分という地。
瀬田の唐橋ではこんな句を・・・
「五月雨に 隠れぬものや 瀬田の橋」
近江八景の一つである瀬田の唐橋を望む景色は芭蕉も何度も眺めたのではないでしょうか?
橋を渡って京阪唐橋駅を越え国分へ。
標高270mの国分山の中腹に「幻住庵」はあります。
正確には「近津尾神社」の境内に幻住庵跡の碑が残っているのみなのですが、
その境内から少し上ったところに平成3年に庵が再建されました。
まずは、ふもとの駐車場から「近津尾神社」へ向けて登っていきます。
駐車場からは「せせらぎ散策路」という小道が。石段脇にはせせらぎが流れ、木陰が涼しいですね。
石段を登り切る手前あたりに「とくとくの清水」という湧き水があります。
芭蕉はこの地で記した「幻住庵記」に
「たまたま心まめなる時は、谷の清水を汲みてみづから炊ぐ」とあり、ここに降りてきては湧き水を汲んだのでしょう。
その先でさらに階段を登ったところに「幻住庵」はありました。
いたるところに地元の小中学生が作った俳句が木々につるされています。
簡素な門が侘びさびを感じせますね。
茅葺の庵に、鹿威しのカコーンという響き・・・
今にも芭蕉が出てきそうな雰囲気!
庵の軒先からは大津の街並みが見下ろせます。芭蕉もここからの景色を楽しんだのでしょうか。
こんな景色を眺めていると私も一句詠んでみたくなりましたが、何にも浮かびません・・・。
幻住庵のすぐ近くには「太子堂」という聖徳太子の2歳像を祀るお堂があります。
この日はたまたま中の太子像を見せていただきました。
鎌倉時代のものだそうです。
この太子堂からの景色もなかなかの絶景!
幻住庵には紅葉の季節にも是非訪れてみたいですね。そのころにはせめて一句くらいは思いつかないでしょうかね。