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(タネスコのロゴ。電光?の先がタンザニアらしくキリンの頭になっています。)
「アフリカ」の公共料金の支払い方ってどうなっているのだろうと思いませんか?
今回の記事では、タンザニア第一の都市・ダルエスサラームにおける電気、水道、ごみ収集、
そしてガス料金の支払方法をご紹介します!
●●●電気
タンザニアの電力供給は、通称・タネスコ(TANESCO・Tanzania Electric Supply Company
Limited)という公社が一手に扱っています。公社のキャッチコピーは"We Light up Your
Life(皆さんの暮らしを照らします)"とありますが、停電は珍しくありません。
特に、用事でせっかく役所に出向いたのに「停電でネットワークがダウンしているので手続き
不能」なんてときは迷惑千万。いつ復旧するか分からないので、そうそう待つ気にはなれません。
場所を離れたと同時に復旧、なんて皮肉な可能性もありますが。
復旧までどれくらいかかるかはともかく、復旧作業にはすぐに対応してくれているようなので
ユーザーは辛抱強く待つのみ。待ちきれない人は家庭に発電機を設置します。
一般家庭の電気料金は基本的に前払い制です。
タンザニアに来たことがある人は、街のあちこちで"LUKU"と書かれた看板を目にしたかも
しれません。この看板を掲げているところが電気料金支払取扱いのブースです。
LUKUと呼ばれる電気料金は、お望みの金額分購入することが出来ます。支払いと引き換えに
発行される20桁の番号を自宅のメーターに入力すれば、購入した分の電気がチャージされる
仕組みです。2017年8月現在で1kWhあたり約24円となっています。
(家庭にはこのようなLUKUメーターが備わっている。正面のプラスチックカバーを開けると
番号を入力するプッシュボタンがある。)
LUKUの購入は、エムペサ(Mpesa)などのモバイルマネーで携帯電話から行うのが断然便利。
モバイルマネーを使えば、様々な支払いが手元の携帯で即完了です!
※タンザニアのモバイルマネー事情については「アフリカ暮らしに密着・タンザニアのモバイルマネー事情」
で詳しく紹介しています!
ちなみに、タンザニアの電力安定供給をサポートするため、日本から長年に渡りタネスコ
への技術支援が続けられて来ました。
●●●水道
ダルエスサラームの上下水道はダワスコ(DAWASCO・Dar es salaam Water and Sewerage
Corporation)が管理しています。水質も特に悪いことはありません。軟水なので、お茶も
おいしく入れることが出来ます。
しかし、そのまま飲む水としてはペットボトル入りの水がかなり普及しており、ローカルな
住宅地の路地にある小さな商店でも大小のボトル入り飲料水が並べられています。中流家庭
以上では、ウォーターサーバーの利用も珍しくなく、ボトルを配達する各社のデリバリー
トラックが道を行き来しています。
毎月ダワスコ職員が各戸の水道メーターを確認に来て、しばらくすると請求書が届きます。
支払い期日は"Immediately(即日)"と書かれており、待ったなしです。支払いが遅れると
容赦なく断水しにくるのでご注意。再開するには別途手数料が請求されてしまいます。
なお、紙の請求書は徐々に廃止していくとのことで、最近は登録した携帯電話にメッセージで
請求が届くようになりました(2018年6月からは完全に携帯メッセージによる請求に切り替わ
りました。エムペサなどのモバイルマネーでの支払いがますます便利です)。
(ダワスコのロゴには南国らしいパームツリーが。)
請求額には水道料金と共に下水道料金も含まれています。下水料は最低金額が約1260円
(2017年8月現在)なので、それを下回ると「調整料」として差額分が追加されます。
ダワスコの水道網がない地域では、水は都度購入することになります。
バケツ1杯分の水から購入可能で、購入した水は各家庭のタンクに溜められます。
自宅に大容量のタンクを備えているところが多く、一気に満たしたい場合はタンクローリー
で水を購入します(10トンの場合約5330円~6670円程度)。業者にもよりますが、このよう
な水の質は一定ではありません。
●●●ゴミ収集
家庭ゴミは週一回、大型トラックが住宅地を回って集めてくれます。
収集日にホイッスルが聞えたら、まもなく回収車がやってくる合図。自宅ゲート前にゴミを
出しておけば、やがてトラックが回収していってくれます。
ゴミの分別は求められていませんが、トラック上でペットボトルは別途回収袋に集められて
いるほか、空のペットボトルを集めている人が巡回しているのが見られます。
(空きボトル回収人)
トラックによる回収作業は4~5人の男性がチームで行います。
荷台に数人のスタッフが立ち、他の仲間が各戸のゴミ容器を回収しては荷台の上の仲間に
渡して空にするという要領です。回収費用は月額15,000タンザニアシリング(約750円)。
集金担当者が毎月回収に来ます。
(ゴミ回収料金の領収書)
けれども、このような定期収集システムは市内全域で行われているわけではありません。
行われていない地域では、必要に応じて電話で都度回収を頼むことになります。非公式業者と
思われるこちらは、1回の収集が2,000シリング(約100円)と破格です。
ただし、このような非公式業者が回収したゴミは、過去、不法に投棄されていたことが明るみ
になったこともあり、営業はいずれ難しくなっていくでしょう。
プラスチックゴミに関しては、大手スーパーを中心にレジ袋の有料化が一般化しているほか、
飲食店でのプラスチックストロー使用中止の流れや、住民によるクリーンイベントなどの動き
が見られるようになっています。
※2019年6月1日からは、使い捨てプラスチック製袋の製造・販売・使用が禁止になりました。
●●●ガス
こちらの家庭で使うガスはプロパンガス。浴室の温水の熱源は電気なので、ガスはもっぱら
キッチンコンロ用です。ボンベのサイズは複数あり、必要に応じて選べます。
金額はブランドによって若干異なるものの15㎏入りで約2500円といったところ。使用状況にも
よりますが、我が家の場合3~4ヶ月持ちます。
タンザニアではまだ煮炊きに炭を利用している家庭も多く、森林破壊が心配されています。
そのためガスへの切り替えがすすめられており、手軽に購入出来るよう、鍋一つ載せて
そのまま使える「ゴトク付き小型ボンベ」も売っています。
キッチンのコンロは電気式のものも多く売られていますが、停電の多いこの国では電気式を
使うのは不安極まりません。
かといって、ガスだと残量が分からないため、そろそろ無くなる頃とは分かっても、いつ
切れるかは分からないという欠点があります。炊き上がっていると思ったご飯が生煮えで
コンロに取り残されていたりしかねないわけです。
そんな突然のガス切れに備え、コンロは電気とガスの併用タイプがおすすめです。
我が家の場合、ガスが3口、電気が1口のタイプを使っています。
ガスは電話一本で無料デリバリーなのでとても助かります。バイクですぐ届きますよ!