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栗東市の名勝「旧和中散本舗」の夏の一般公開

フナズシマル

フナズシマル

滋賀特派員

更新日
2017年8月26日
公開日
2017年8月26日
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栗東市の旧東海道沿いに「旧和中散本舗」と言われる江戸時代の薬商人の邸宅があります。

普段は閉じられていて見ることができないのですが、8月に「夏の一般公開」として中を見ることができる機会がありました。

「旧和中散本舗」は17世紀ごろに、このあたりで売られていた「和中散」という薬を売っていたお店の一つ。

元は本家となった是斎(ぜさい)が京都の医者の娘を娶った際に、引き出物として受け取った薬の調合法を元に和中散を作り、

東海道沿いの梅ノ木の木陰で旅人に売り始めました。

徳川家康が近江で腹痛を起こし、その際勧められて飲んだこの薬がたちまち効いて治ったことから全国的な評判になったといいます。

是斎は大角を名乗り、現在も「大角弥右衛門」さんの住宅なんです。

旧東海道を草津から石部へ進む途中、急に目の前にひときわ歴史を感じる建物が現れます。

店内には軒先に茶釜があり、ここで薬を買いに来た人にお茶を振る舞ったそうです。

賽銭箱ではありませんよ。ここに薬を売った代金を放り込むのだそうです。

こちらは製薬機です。

直径4mの大きな車輪の中に人が入りまわすと、石臼によって薬が轢かれるという仕組み。

今は動かないそうですが・・・。

この旧和中散本舗は薬屋ですが、街道沿いで旅人の休憩場所としての機能もあったので、後に屋敷を増築して大名などが休憩できるようにもなりました。

そのため「梅ノ木小休み本陣」とも称されます。

本来、大名などは宿場町(このあたりなら石部宿か草津宿)の本陣(大名専用の宿泊施設)にて休憩や宿泊をすることになるのですが、

各宿場町の距離はおおよそ平均10㎞程ありますから途中で休む場所も必要なんですね。

やはりそれなりのお立場の方が利用することになるので、正面の門も立派です。

屋敷の入り口です。籠を横づけできる造りになっているのはまさに本陣です。欄間も豪華ですね。

奥に入ると庭園が現れました!

大名の休む部屋からは小堀遠州作と言われる日向山を借景とした素晴らしい庭園が望め、こちらは国指定の名勝となっています。

ちょうど簾などで区切られた景色が額縁の絵のよう・・・

明治にはここで明治天皇も休憩されたそうで、その時に履かれた草履が展示されていました。あと有名どころではシーボルトも訪れたとのこと。

滋賀県は京へ通じる街道が至る所に走っているため、こういった史跡が非常に多くあります。

歴史的に有名な方の痕跡もたくさん。

その割に観光地化してないところが多いので、ゆったりのんびり風景に浸ることができますよ。

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「旧和中散本舗」大角家住宅

〒520-3017

滋賀県栗東市六地蔵402番地

TEL077-552-0971

アクセス:JR手原駅から徒歩約30分

※普段は予約が必要

※公開中は10時~16時(料金400円)

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