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その日は車を使う用事があったので、嫁を仕事場まで送って行きました。
帰りに湖南市を走ってると何気に「湖南三山」の看板が目に入り、ふと紅葉はどうかな?と気になったので寄ってみることに。
そのくらいふらっと寄れる所なので、まぁちょっと様子でも・・・くらいの感じです。
滋賀の三山と言えば有名なのは湖東三山(西明寺、金剛輪寺、百済寺)ですが、湖南三山(常楽寺、長寿寺、善水寺)も知名度では劣るものの、いずれも国宝を抱える紅葉の名所なんです。
今回訪れたのはそのうちの一つ天台宗の古刹「長寿寺」。
ここへ行く手前に「常楽寺」もありますが、開門まで少し時間もあったので、さらに奥の長寿寺まで足を伸ばしました。
長寿寺の手前に大きなグラウンドがあるのですが、それが駐車場となってます。
すでに駐車場にも赤や黄色のモミジが地面を絨毯のように埋め尽くしています。
それを見ながら正面に向かって行く途中、ちょっとした地元の方々がこの季節だけ開いているお土産物のお店があります。
そこを抜けたところが山門。
さすが1200年歴史を持つ古刹、茅葺の山門の佇まいがいい感じ!
山門の先にモミジの回廊が広がっているのが見え、ちょっと試しに見に来ただけでしたが奥まで入ることにしました。
(ちなみに拝観料は500円)
山門をくぐれば、真っ赤ではなく黄色のモミジが本堂まで続く参道を覆いつくしています。間に刺し色のように入る赤も逆に引き立ちます。
今年は滋賀県も台風21号の爪痕があちこちに残っており、その被害は大きいものでした。
このあたりの紅葉も少なからず影響を受けているようで、例年なら黄色のイチョウと真っ赤なモミジのコントラストが見られるそうですが、イチョウの葉っぱは風でなくなってしまいました。
そのイチョウの抜けた穴を埋めるかのようなモミジの黄色がそれはそれで綺麗!
参道の途中にはよく見るとウサギやフクロウが・・・。
国宝寺院の参道なのに、こういった遊び心があるっていいですね。
本堂の手前にあるのが、石造りの多宝塔。
ここ長寿寺は世継ぎのいなかった聖武天皇が良弁僧正に祈請して造らせたお寺。多宝塔はその聖武天皇の菩提を弔うために鎌倉時代に建立されたものです。
そしていよいよ本堂が目の前に・・・
檜皮葺の堂々たる佇まいの本堂が現れます。
中には聖武天皇が子を授かることができたといわれる「子安地蔵尊」がご本尊として厨子に中に安置されていますが、本堂内は写真撮影は不可。
ご本尊も50年に一度しか開帳されません。次回は30年くらい先みたいです・・・。半開帳があれば見れるかな?
本堂の奥には約3mもある阿弥陀如来坐像が安置されており、金箔に彩られた仏像は大きさも含めてなかなかの迫力です。
この本堂裏からの眺めも大変綺麗でしたよ。
本堂の裏手に小高い場所があり、そこには天正の頃までは三重塔があったということです。
実はこの三重塔、織田信長が安土城にもっていってしまったのです。
安土城跡に行けば、その三重塔が今も天主跡から見下ろした位置に建っていますよ。
山門からすぐのところに庵があり休憩もできます。
この日は中で「草津街あかり」でも見かけた竹灯籠が。手の込んだ細工の竹灯籠とモミジのコラボも絵になります。
でもやはり花より団子・・・
湖南市の郷土料理「いもつぶし」。サトイモなどのイモ類と米をつぶして練った団子のようなものに柚子味噌をつけて食べます。
お酒はもちろんお持ち帰りで・・・。こちらは湖南市石部の酒蔵が出している湖南三山限定のラベル。
この日は開門の9時に行ったので、お客さんも少なくゆっくり見れました。
ちょこっと寄り道で大変見ごたえのある古刹のモミジに出会える湖南市・・・。滋賀にはまだまだ秘密発見みたいな場所が沢山あります。
秋はそんな国宝級の穴場スポットにお出かけしてみてはいかがでしょうか?
天台宗 湖南三山
阿星山「長寿寺」
滋賀県湖南市東寺5-1-11
TEL:0748-77-3813
アクセス:JR草津線石部駅下車3.7㎞(駅前にレンタサイクルもあります)
駅前にハイヤーが常駐・市営巡回バスもあり 約15分 長寿寺下車
車は名神栗東ICから国道1号経由、石部口を左折、10分駐車場あり