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「勝部の火祭り」って?
守山市勝部にある「勝部神社」では毎年1月の第2土曜日に、800年続いているといわれる奇祭「勝部の火祭り」が行われています。
その昔、土御門天皇が原因不明の病気になった際に、この近くに潜んでいた"おろち"を退治したところ、たちまち天皇の病気が回復したという言い伝えから始まったお祭りで、5m以上もある大きな松明を"おろち"に見立て焼き払うというもの。
真冬の境内に12基の松明から巨大な炎が立ち上る勇壮な祭りということで、滋賀の三大火祭りの一つとも言われています。
今年の1月13日に行われた「勝部の火祭り」にFunazushi-maru初めて行ってきました!
いざ、勝部の火祭りへ
JR琵琶湖線・守山駅から徒歩15分程度ですが僕は車で行きました。祭の当日は臨時駐車場が近くの「生涯学習・教育支援センター・エルセンター」に用意されており、こちらから徒歩5分程度で到着です。
勝部神社まで続く道には5mほどもある巨大な松明がズラッと並べてあり、これだけでも十分圧倒的な雰囲気。
今からこの松明が炎を上げると思うと、なんだか気持ちが高まってきます!
しかしこんな大きな松明どうやってつくっているのか気になるところ。
大松明は竹やハンノキ、赤松の板、先端は菜種殻で作られており、菜種殻は1年かけてこの日のために育てたものを使って、勝部神社近くの「勝部火祭り交流館」で組み上げられます。
祭りの運営の中心になっているのが地元の中学1年生〜34歳までの若い男子で結成されている「松明組」。800年の歴史を繋いでいく重要な役です。
祭は18時頃から始まりますが、クライマックスは20時過ぎから・・・
紅白のフンドシ姿の松明組が大太鼓を担ぎ、勝部神社の前に集まってきます。
大太鼓を担いでの乱舞を奉納した後、松明組が向かうのは「大松明」。
12基の大松明が次々と境内へ運び込まれ・・・、
境内の中央に大松明が並べられ、いよいよその時が近づいてきます
祭のクライマックス!
20時30分にはすべての大松明が運び込まれ、そして点火!
一瞬何かの爆発かと思うくらいに、あたりの暗闇が炎の閃光で照らされ、雪の降り出したキーンと冷えた空気も瞬間的な熱風のような炎の熱に包まれます。
「わあ、アツッ!」そんな声も周りから聞こえるくらい!
ちなみに僕は境内中央から30mは離れている神社の入り口あたりにいたのですけどね。
すると、5mを越える大松明12基が一斉に燃え上がると同時に雪が一斉に降り出しました。松明からの火の粉の赤と雪の白が紙吹雪のように空中で混ざり合い、勇壮な祭りが幻想的な雰囲気に・・・。
松明組の乱舞が「ごうよ」「ひょうよ」の掛け声で行われる中、ものの数分で炎も徐々に小さくなっていきます。
炎がおさまり下火になった状態の大松明は境内の外へ・・・。
とは言っても、竹で出来た大松明は時折「パーンッ‼」と火の粉をまき散らし爆発していますので、警備員さんも危ないから下がって!と注意されてました。この祭りにはダウンジャケットなどのナイロン系素材の服は避けるようにとの話がありましたが、たしかに火の粉を浴びてしまうことあるかも。
松明が通ったあとが火の粉が残り、赤く燃える道になっていました。
全ての松明が境内から姿を消すと、本殿でお札が配られます。
まだ境内の中央では火の粉の残りが赤い光を発しており、燃え残った松明の枝を持ち帰る人もいました。
ああ、新しい年が始まったんだな・・・、勝部の住人ではないですが、そんなことを感じる清々しさが祭の後にはありました。