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世界遺産が街全体にある永遠の都ローマは、見応えのある歴史的建造物が想像以上に多くありますが、数少ない旅行日程の中でコンパクトにローマ観光をするのはどこか観光場所を削ったりする等、四苦八苦されることも多いかもしれません。その点から考えるとローマは、市内観光をあまり欲張らずに、テーマを決めてゆっくりと巡るのも一つの方法です。それにはローマという都市の歴史の知識を深められるだけではなく、その場所を一つ一つしっかりと覚えられるというメリットもあります。そこで今回は、旅づくりのヒントとして教皇が建築させたとされる古代ローマ様式の聖堂の5大バシリカを紹介したいと思います。
1)サン・ピエトロ大聖堂(伊語:Basilica di San Pietro in Vaticano)
言わずとも世界的にも知られているカトリック教会の総本山であるバチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂。やはり、カトリック信者にとって聖地の一つと呼ばれるだけあってキリスト教の教会建築としては世界最大の規模を誇っています。ここには、歴代ローマ教皇の収集品、ミケランジェロの絵画のあるシスティーナ礼拝堂やラファエロの間等があることから是非とも訪れて欲しいバチカン美術館もあるので、サン・ピエトロ大聖堂と一緒に観光されるのがお勧めです。
アクセス:メトロA線 オッタビアーノ(Ottaviano)駅下車 徒歩約10分
2)サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂(伊語:Basilica di San Paolo fuori le mura)
ローマの街の中心から外れの場所にあることから「城壁外の聖パオロ大聖堂」の名称を持つこの大聖堂は、地元ローマっ子にとってもローマでは最も美しい建造物と評されています。個人的にも5大聖堂の中でもお気に入りの場所でもあります。大聖堂の周辺はちょっとした公園のようなエリアが広がり、週末や夕暮れには犬の散歩や家族連れや子どもたちがボール遊びする姿が見られ、とても長閑な雰囲気に溢れています。また観光客も少ないので、自由気ままにリラックスしながら観光ができます。
アクセス:メトロB線 バジリカ・サン・パオロ(Basilica San Paolo)駅下車 徒歩約8分
3)サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂(伊語:San Giovanni in Laterano)
ローマ司教として教皇がかつて住んでいたとされるラテラノ宮殿に隣接しているこの教会は、ローマの数ある教会の中でももっとも権威があり、「救世主大聖堂」と呼ばれています。確かにここの厳粛なその雰囲気は見るものを圧倒させる威厳を感じさせられます。ここの辺りは、ローマ市内を囲むかつての城壁の一部が残っているので、古代ローマ人の思いを馳せながらその雰囲気を味わえるかと思います。
アクセス:メトロA線 サン・ジョバンニ(San Giovanni)駅下車 徒歩約4分
4)サンタ・マリア・マジョーレ大聖堂(伊語:Basilica di Santa Maria Maggiore)
マリアという名前が称されていることから母なる教会ということで重要な位置づけを持ち、世界に広がる聖母マリアに捧げる聖堂としては世界最大と言われる聖堂です。また、イタリア各地や空港並びに欧州内の都市へ向かう列車が出るローマの中心駅であるテルミニ駅に近く、旅行者もこの辺りに宿を取られることが多いので、ここの聖堂は気軽に立ち寄れる必見スポットの一つではないでしょうか。
アクセス:メトロA・B線 テルミニ(Termini)駅下車 徒歩約6分
5)サン・ロレンツォ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂(伊語:Basilica di San Lorenzo fuori le mura)
「城壁外の聖ラウレンティウス(ロレンツォ)大聖堂」と称されるこの大聖堂は、3世紀に殉教した聖ラウレンティウスの墓の上に建設されたとされます。外観からはこれまでの大聖堂と比較してみてもちょっと物足りない雰囲気もあります。この大聖堂は第二次世界大戦中に爆撃を受けたエリアにあり、全壊は免れたのも完全な修復はなされなかったが、ローマでも非常に長い歴史を誇る大聖堂です。そして、大聖堂の裏側は霊園になりますが、向かい側はローマでも知られるラ・サピエンツァ大学があるので、学生たちで溢れています。
アクセス:メトロB線 ポリクリニーコ(Policlinico)下車後、2・3・19番のトラム乗り換えにて4つ目の駅 ベラーノ(Verano)下車 徒歩1分
今回、ご紹介させて頂いた5大バシリカは、それぞれが深くて長い歴史を持ち、ローマ市内にある数々の教会と比べても一際、存在感があります。初めて訪れるローマ、ローマを訪れるリピーターの方もきっとそれぞれの見方があるかと思いますが、5大バシリカ巡りというテーマで旅しながらローマならではの奥深く果てしない歴史を学んでみませんか?