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長らく厳しく寒い日々が続いたここ永遠の都"ローマ"も暖かい日々が続き、ようやく春の到来を感じられます。そこでここローマへ旅行する際に絶対に訪れて欲しい場所として"トラステヴェベレ(伊語:Trastevere)"地区があります。今回は本格的な春到来間際ということでローマの気まま散策に最適でかつ魅力的な場所をご紹介します。
ローマ市内を流れるテベレ川の向こう側に位置しているこの古い地区は、"庶民的な下町"という言葉が非常にしっくりくる場所です。日本に置き換えると恐らく東京で言えば浅草で、大阪で言えば谷町や千林周辺のような位置づけになるかもしれませんが、観光地化された下町とはどこか違う味があります。実際にはこの地区にも多くの旅行者が訪れるので、観光地化されつつありますが、昔からある古い建物をそのままに残すローマの中でももっとも賑わい、夜遅くまで営業しているピッツェリア(ピザ屋)やトラットリア、PUB(居酒屋)が軒を連ねて、エネルギッシュな若者たちで溢れ、情熱的な雰囲気を持ち、古い教会もあちこちにあり、昔ながらのローマに出会える場所でもあります。
ローマの中でも最古の教会とされるのではないかと考えられるサンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会(伊語:Basilica di Santa Maria in Trastevere)はこの地区の中心の広場にあり、その起源が西暦221年と悠久の歴史を誇っています。今回、残念ながらこの教会の外観はちょうど修繕の最中でその美しい姿を写真に収めることができませんでしたが、内部は荘厳な雰囲気を持ち、神聖的な気持ちにさせられます。
地元ローマの人たちからはこの地区の界隈をぶらりと散歩することがこの永遠の都での楽しみ方の一つとして親しまれていますが、手頃な価格で美味しいローマ料理のレストランに出会える場所として知られているので、週末は特に賑わいます。そして、即席のコンサートやストリートアート、大道芸に出会えるのもこの地区がもたらす雰囲気そのものではと感じさせてくれます。
ちょっとした冒険心をすぐられるこの地区の細い路地は、もしかしたら宝物に出会えるのではないかと期待感でいっぱいになります。やはりそこにはそこにしかないようなオリジナルの品物が豊富なセレクトショップや個性的でかわいらしい手作りの雑貨屋さんとバリエーション豊かなシャツや小物たちと巡り合わせてくれます。
そして、ここトラステヴェレ地区のレストランはローマの人たちの胃袋を満たすだけではなく、その味に外れが少ないことでも知られます。それだけ美味しくて庶民的でかつ老舗のレストランがこの地区に集中していると言っても過言ではありません。
さらにこの地区にもサッカーを意味するカルチョ(伊語:Calcio)のチームがあり、1909年創立と何と110年近くの歴史があります。現在はセリエD(県リーグ相応)という下位のカテゴリーに位置するにも関わらず、地域に密着したチームであると同時に地元の人たちに愛され、その地区の中に立派なオフィシャルショップまで揃っているのだからスポーツを通じてこの地を発信していることが強く感じられます。
この魅力的なトラステヴェレ地区へのアクセスとしては、旅行者が良く滞在されているローマのテルミニ駅より番号として"H"の表示がついたバスで行くのが一番便利です。このバスを利用してテベレ川に架かる橋を渡った後にすぐ下車すれば、トラステヴェレ地区に到着となります。所要時間は渋滞に遭わなければという条件付きではありますが、約15分と行きやすさがあります。
着飾らない素朴なローマに出会いたいのならこのトラステヴェレ地区を自由気ままにぶらりと歩いてみるのが一番です。是非、ローマ滞在中にこのトラステヴェレ散策をスケジュールに組み入れて、旅人のあなたもよりもっとローマっ子の気分に近づけてみませんか。きっとこれまで以上にこの永遠の都"ローマ"に恋すること間違いないです。