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ローマ発!豊かな自然に恵まれた風光明媚な国”スロベニア共和国”

田澤 龍太郎

田澤 龍太郎

イタリア特派員

更新日
2018年4月23日
公開日
2018年4月23日
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今回は、イタリアの隣国であるスロベニアへ週末を利用して旅行してきたので、ローマ(イタリア)からでも行ける身近な国の一つ"スロベニア共和国"をご紹介させて頂きます。日本からの視点で見れば一般的に馴染みが薄いスロベニアは、季節運航チャーター便等を除き直行便がまだ就航されてないこともあり、イメージが湧きにくい国の一つとされるかもしれません。それでも人口が約200万人程度で欧州でも優等生的な存在を持つ小さな国は、イタリア、クロアチア、ハンガリー、オーストリアに囲まれ、水が豊かな欧州の国の一つとされるようにアルプスの真珠とも言われるほどで特に自然の魅力が満載の国です。

(by Cartographer of the United Nations [Public domain], via Wikimedia Commons)

ここローマからは、列車でもスロベニア共和国へ行くことができますが、今回は飛行機を利用しました。ここローマからはまず、約1時間20分のフライトでイタリア北東部に位置するアドリア海に面した湾岸都市のトリエステまで向かいます。スロベニアとの国境を隣接するこの都市からは車で欧州最大規模を誇る鍾乳洞で知られるポストイナまで高速道路を利用して、約1時間で向かうことができます。

※今回の旅行では、スロベニア入りが夜中のためスロベニアの国境を超える瞬間をうまく写真に収められませんでした。その代わりにイタリアに戻る時の様子を掲載させていただいております。

わずか1時間の間にイタリアの国境を越え、スロベニアに入国できるというのは陸続きの欧州大陸を旅するものとして、島国の日本では感じられない"国境超え"の旅という旅の醍醐味の一つを感じられるのではないでしょうか。ここポストイナでは、鍾乳洞と岩山と一体化した壮大な洞窟城で知られるプレジャマ城もまた観光名所として知られています。今回は、時間の都合上、鍾乳洞ではなく神秘的な雰囲気が漂うプレジャマ城(洞窟城)を訪れました。

高さ約120mで断崖絶壁のプレジャマ城は現在、博物館となっているためこの城の歴史を学ぶことができますが、城内に入るとまさに難攻不落の城で長期の籠城が可能な構造になっていることを強く実感できます。城内のさらに内部の奥は夏季シーズン限定のツアーとして限定公開される鍾乳洞があり、数多くのコウモリに出会えることができるようだ。

そして、ポストイナから東側寄りに北上するとスロベニアの首都"リュブリャナ"に1時間ぐらいで辿り着くことができます。常に外部からの圧政者に支配され苦しめられた受難の歴史を持つスロベニアは、そうした負の歴史を乗り越えてこそ今があるようにリュブリャナ旧市街を始めとした中世の雰囲気残る美しい景観を見つけることができます。

何よりも地理学的にもオーストリア等の国々から影響を受けた建築物がとても印象的で、その落ち着いた感じを受ける景観を活かしながらコンパクトにこの国の首都を形成しているようだ。

人口が約27万人規模のこの都市は、リュブリャナドラゴンがシンボルとなっており、力や勇気、大きさの象徴とされ、リュブリャナ川に架かる竜の橋やリュブリャナ城の紋章にも描かれている。一国の首都に関わらず、小規模な都市の旧市街はゆっくりと気ままに街歩くだけでも平和的な雰囲気に包まれ静かに時が流れるような時間を味わうことができます。

2004年に東欧諸国として初めてEUに加盟したスロベニアは、隣国イタリアとも歴史的にも関わりが深くムッソリーニによる「外国人排斥」の方針の下、言語弾圧など激しい迫害を受けていた。また、第2次世界大戦中にはこの美しい首都リュブリャナもイタリア王国に占領され、その一部となった。現在は、1991年に旧ユーゴスラビア連邦から独立し、21世紀近くになってようやく独自の文化を歩み始めた発展途上中の国の一つと数えられている。

実際にこの国を訪れたのは2回目だが、1回目の訪問当時はネームバリューの差でスロベニアを起点にクロアチアの都市を訪れたため、スロベニアという国を軽視していた感があった。今回、初めてスロベニアをゆっくり訪れることで"スロベニア"という国を見直すきっかけとなり、この国が持つ緑豊かな自然やその産物や景観を探求し、その国の歴史や文化をもっと学んでみたいと気付かせてくれる旅となった。

イタリアの隣国の一つであるスロベニアは、永遠の都"ローマ"から手軽に列車や飛行機等で訪れることができるだけはなく、スロベニアが誇る自然を最大限に活かしたマイナスイオンたっぷりのネイチャーリゾートと中世から続く受難の歴史や文化が共存している国なので、世界中を旅する皆さんも是非、訪れてみたい国の一つとして候補に入れてはいかがでしょうか?

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