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夜も昼も賑わうローマの下町"トラステヴェレ地区"付近にある高さ88mのジャニコロの丘(伊語:Colle del Gianicolo)は、地元ローマっ子の散歩やローマの街を一望できる場所として親しまれています。
このジャニコロの丘から見るローマの眺望は、見渡す限りこの"永遠の都"が持つ壮大な歴史を改めて感じさせてくれます。そして、夕刻時にはオレンジ色に輝く夕陽が照らし、日没後にはロマンチックな夜景を眺めることができることからそれぞれ違ったローマの顔を見届けることができます。そんなジャニコロの丘の頂にあるのが、ガルバルディ広場(伊語:Piazzale Garibaldi)で、ジュゼッペ・ガルバルディ(伊語:Giuseppe Garibaldi)の銅像が凛々しい姿で立ち向かっています。この記念碑は1849年、ここジャニコロの丘で起きたと言われるローマ大学の戦いで、そのガリバルディに率いられて命を落とした義勇兵たちを祀っていると言われています。
ガリバルディの銅像の下には"ROMA O MORTE"が彫られており、「ローマか死か」とローマを賭けて戦う義勇兵たちの相当な決意を感じることができます。
また、ガリバルディは、19世紀にイタリア統一運動を進め、イタリア王国設立に大きく貢献した国民的英雄として讃えられているだけではなく、イタリア各地を旅行すれば、彼の名前を冠したガリバルディ広場やガリバルディ通りを良く見かけることから彼の功績の偉大さを感じることができるでしょう。
ガリバルディ広場の頂にある展望エリアでは、正午になると大砲の音がローマの空に響き渡る瞬間を目にすることができます。この礼砲は、1847年から当時の教皇によりローマにある教会の鐘を一斉に鳴らすように合図を送ることを命じたとされ、現在もそのダイナミックな音を体感できます。
毎日の正午に発砲されるこの礼砲は、休日になると好奇心旺盛な地元のローマの子どもたちが訪れ、多くの見物客で溢れるが、旅行客にとってもこの瞬間を目にするのは貴重な体験ではないだろうか。
小高いジャニコロの丘の散歩道の途中には、暑い夏には特にとそのありがたみが感じられるパオラの泉(伊語:Fontana dell'Acqua Paola)があります。心地よい涼を感じることができるこの泉は、有名なトレヴィの泉(伊語:Fontana di Trevi)そして、フェリクス水道の泉(伊語:Fontana dell'Acqua Felice)と並んでローマの3大噴水の一つに数えられます。
古代ローマの水道技術の高さを感じるパオラの泉は、ローマの北の方にあるブラッチャーノ湖(伊語:Lago di Bracciano)を水源とし、109年に完成させたトライアーナ水道(伊語:Aqua Traiana)の終点として造られた見事な建造物で、17世紀頃から造られたと言われている。
また、このパオラの泉の付近には、ガルバルディ軍の霊廟(伊語:Mausoleo Ossario Garibaldino)つまり、"ローマのために戦った"戦死者のための納骨堂がある。実際、この霊廟には"ローマのために戦った戦死者に"と彫られている。現在のローマがあるのも果てしない歴史の中で彼らの貢献もあってこそあり、尊重されるべきものだと実感させられる。
ローマでも活気があり絵になる下町"トラステヴェレ地区"に近いこのジャニコロの丘は、永遠の都のその美しい眺望を眺め、ローマの空に響き渡る礼砲を見届けながら気ままに散歩できる場所として、悠久の歴史溢れるこのローマの空気を感じてみて下さい。
【アクセス方法】
トラステヴェレ地区からはNo,115のバスでガルバルディ広場(伊語:Piazzale Garibaldi)にアクセス可能です。バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂からテヴェレ川の向こう側にあるパオラ通り(Via Paola)よりNo.115又はNo.870のバスでも可。