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東洋のお化けがパリに集合、ケ・ブランリー美術館で開催中の「アジアの地獄と幽霊」展が面白い

守隨 亨延

守隨 亨延

フランス特派員

更新日
2018年6月15日
公開日
2018年6月15日
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(c) musée du quai Branly – Jacques Chirac, photo Gautier Deblonde

今年7月15日までパリ市内にあるケ・ブランリー美術館では、アジアのお化けが大集合しています。昔の絵画や民芸品といったものから、近年のホラー映画まで、日本、中国、タイなどでイメージされてきた幽霊、妖怪、地獄が紹介・展示されています。民俗学に特化したケ・ブランリー美術館ならではの企画展です。

美術館の外観から、すでにお化けがたくさん! 館内では、日本からは葛飾北斎などの浮世絵、ナマハゲ、化け猫、能、水木しげるの妖怪作品、映画『リング』『呪怨』などJホラーと、古今の怪談がそろいます。特にJホラーの展示スポットは、お化け屋敷の中に入っていくような、ひんやりとした感覚があります。

(c) musée du quai Branly – Jacques Chirac, photo Gautier Deblonde

中国からはキョンシーや、閻魔大王をはじめとした道教がイメージする冥府など、日本とはまた異なった恐ろしさが表現されています。

(c) musée du quai Branly – Jacques Chirac, photo Gautier Deblonde

これらだけでも十分に楽しめるのですが、個人的なおすすめはタイなど東南アジアの幽霊やホラー。中国のものは日本人にも何となくなじみがありますが、タイのものは初めて見るものばかりで、とても興味がそそられました。

例えば、空を飛ぶ生首の下に内臓がぶら下がっているピーガスーというお化けや、巨人のピープレートなど。私が子どもの頃、『ゲゲゲの鬼太郎』の劇場版に海外の妖怪が登場して、鬼太郎率いる日本の妖怪と戦うという物語があったのですが、その時に見た、なじみのない外国の妖怪に感じた好奇心を再び感じました。

(c) musée du quai Branly – Jacques Chirac, photo Gautier Deblonde

色々な地獄を見て回っていても、大人ですし子どもの頃と違って常に平然としていられます。ただ、知らず知らずに心が疲れているようです。その理由に、東洋の極楽を演出した最後の部屋で、心底ほっとする自分がいました。

(c) musée du quai Branly – Jacques Chirac, photo Gautier Deblonde

パリの夏は、日本のように至るところで空調がきいているわけではありません。「アジアの地獄と幽霊」展は7月15日までと夏の途中で終わってしまいますが、暑い日はケ・ブランリー美術館まで涼みに行ってみませんか。

【データ】

住所:37 Quai Branly 75007 Paris

営業時間:11時〜19時(木〜土曜は21時)

定休日:日・月曜

最寄り駅:地下鉄9号線Alma-Marceau

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