• Facebook でシェア
  • X でシェア
  • LINE でシェア

ヤノベケンジ×堀木エリ子「SHIP’S CAT」展がパリのカルーゼル・デュ・ルーブルで2018年8月28日まで開催中【ジャポニスム2018】

守隨 亨延

守隨 亨延

フランス特派員

更新日
2018年8月22日
公開日
2018年8月22日
AD

8月22日から同28日まで、ルーブル美術館に併設するカルーゼル・デュ・ルーブル内で、現代美術家・ヤノベケンジさんと和紙作家・堀木エリ子さんによる「SHIP'S CAT」展が開催されています。オープニングパーティーへうかがってきたため、展示会の様子をご紹介します。

「SHIP'S CAT」とは、大航海時代に船の積荷のネズミからの保護、ネズミを媒介とした疫病の防止、船員の癒しなどを目的に、船に積まれた猫のこと。その害獣駆除の目的から、次第に船に積まれた猫は船の守り神のような存在になりました。この「SHIP'S CAT」をモチーフに制作されたのがヤノベケンジさんの作品です。今回の展示では、そのヤノベさんの作品、およびヤノベさんと堀木さんの共作が展示されています。

今年、日本とフランスは日仏友好160周年、そして京都市とパリ市は友情盟約締結60周年を迎えました。「SHIP'S CAT」は、元は福岡・博多にあるホステル「WeBase博多」のために作られた作品でしたが、今回はそれをベースに、堀木エリ子さんによる日本の伝統文化である手すき和紙の技術を加え制作が行われています。

会場入口を抜けると、プロローグとして展示されているのが、福島の「重陽の芸術祭」に出品された「SHIP'S CAT(Black)」と2020年の東京五輪の旅と海の守り神として作られた「SHIP'S CAT(Harbor)」です。ランプになるヘルメット、ステンレス製の堅牢な鎧は、混迷する世界の未来を見通し、困難に立ち向かう勇気を象徴。「SHIP'S CAT」のモチーフは冒険心溢れるしなやかで強靭な精神を表しています。

メーン会場のサル・スフロには、左右に堀木さんの和紙造形「SUN」「MOON」を配置。それら作品に挟まれた中央には共作の「SHIP'S CAT(Totem)」が立ちます。周囲は「陽光(YOUKOU)」と「SHIP'S CAT(Totem)」が飾り、奥は「Picture scroll of SHIP'S CAT」の絵巻物が置かれています。

「SHIP'S CAT(Totem)」へ至る参道には「SHIP'S CAT(Sleeper)」と「SHIP'S CAT(Thinker)」が鎮座します。

オープニングパティーでは、木寺昌人駐仏大使や中川秀直元内閣官房長官の挨拶を皮切りに、会の中盤ではヤノベさんと堀木さんがスピーチをされました。

会場内で用意されたのは、パリのレストラン「柚子」のおすしや、パリで活躍する和菓子職人・村田崇徳さんのお菓子、Lenôtreによるフレンチなどが。来場者は舌鼓を打っていました。

同作品は、展覧会が終了した後は行きと同じく船旅を経て、日本へ帰国するそうです。その後「SHIP'S CAT(Totem)」と「Picture scroll of SHIP'S CAT」は、ホステル「WeBase京都」に常設展示される予定です。

【データ】

住所:Salle Soufflot / Foyer, 99 Rue de Rivoli 75001 Paris

開館時間:9〜20時(「SHIP'S CAT」展は8月22日〜28日、最終日は〜19時)

最寄り駅:地下鉄1、7号線Palais Royal Musée du Louvre

トップへ戻る

TOP