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No.45 イタリアの日常:言葉の壁よりセンスの壁が高すぎる~Parrucchiera:美容室

丹羽 淳子

丹羽 淳子

イタリア特派員

更新日
2018年12月12日
公開日
2018年12月12日
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みなさん、こんにちは。アンコーナ特派員の丹羽淳子(ニワアツコ)です。今回のブログでは美容室がどんな感じなのかご紹介したいと思います。

私はここ十年ほどは常にロングヘアを保っています。イタリアに来てからというもの、このスタイルで良かったとしみじみ思います。というのも、美容室に行く必要性が非常に低いから。伸ばし放題でも一つに結わえることで、なんとか体裁が保てるのが利点です。ただ、さすがにずっと伸ばしっぱなしというわけにもいかないんです。というのも、こちらの日差しの問題でしょうか。夏の日差しで髪の毛はひどく傷みます。黒髪の私も、夏が終わる頃にはなんとなく茶色みを帯びた髪色になっているほど。びっくりするのはこちらの皆さん。濃いめの栗色の髪の人が夏が終わる頃には赤茶色に、淡い色目の茶髪だった人はほぼ金髪に、とみんな毛染めをしたのか?と思うような大変身を遂げるのです。色素の差なのでしょうね。ここに来た当初はわけも分からず「え?髪の毛染めたの?」って聞いたものです。

ということで、私も重い腰を上げて美容室へ行くことしたのですが、残念なことにまだ馴染みの美容室が無いのです。近所にある「腕の良さそうな」美容室は、これまでの3年半で3軒に行ってみたのですが、どれもすべてしっくり行かず。とにかく髪質が違うので自分が思っているようなヘアースタイルを美容師さんが作り上げれないことと、日本にある技術、例えばデジタルパーマのようなモノがここには存在しないのです。

美容室漂流者となった私が頼ったのは、近所に住む日本人のお友達情報。いつも素敵なヘアスタイルの彼女は、今では日本に帰った時に美容室に行くこともないくらいイタリアでの美容室が気に入っているとのことで、鼻息荒く住所を聞き出し、私も乗り込んで来ました。

美容室の常識ですが、基本的に日曜日は休みです(大都市やショッピングセンター内に入っているような美容室は除きます)。プラス、月曜日がお休みのところも多いです。火曜日から土曜日が開いていて、火曜日から木曜日は朝から昼まで、お昼間は一旦しまって夕方に再オープン。金曜日と土曜日は朝から夕方まで休み無しでオープンしています。朝のオープン時間も早いところが多く、今回私が伺ったお店は午前8時から!(イタリア人は怠け者だという通念は本当に間違っていると思います)そして、女性に関して言えば、「セット」だけをしに来る人が非常に多い。特に年配のご婦人方は週に1回(多い人では数回)美容室に通って、シャンプーとセットだけをしてもらうのです。週末にあたる金曜日と土曜日が通しで営業しているのもこの為。週末のために身だしなみを整えるのが、イタリア女性の嗜みなのでしょうね。

さて、今回の美容室。一軒家の装い。Mauro氏とFrancesco氏、二人の美容師さんがいるお店です。お店の中にはエステサロンも併設しています。

お庭がとってもかわいい。ちゃんと手入れされていることだけで、評価が上がります。店回りが雑然としているお店も多くありますので。

システムとしては、日本と同じですが予約が必要です。もちろん飛び込みでも受け付けてくれますが、イタリアの美容室の多くはお店に美容師が沢山いるというわけではなく、基本的に髪の毛を着ることが出来る美容師は1人の場合が多いのです。なので、その人が順番にお客様の相手をしていくので、必然的に予約が必要になります。このお店の場合は、Mauro氏とFrancesco氏の他にも美容師さんはいるようでしたが、私が見る限りではFrancesco氏飲みが髪を切っていました(Mauro氏は不在のため)。ちなみに行ったのは火曜日の午前中。お客様も私の他に常に4~5人はいましたが、スタッフは7~8人はいたかな?相当な人気店なことが伺えました。

人気があるということは、儲かっているとうことでしょう…。店内の雰囲気はこんな感じ。

日本の雰囲気と同じですよね。この美容室は広くて明るくてとっても清潔な雰囲気がとても好印象です。

受付を済まして、荷物は勝手に荷物置き場に置くように指示されます。暇そうなスタッフはたくさんいますが、そこには誰も手を出しません。そして、荷物置き場にはスタッフたちの水のペットボトルが沢山置かれていました。もちろん目につく場所で、あえて言うならば一番使い勝手の良い場所!こういうところが本当にイタリア。受付後は、日本ならカウンセリングなどがあると思います。初来店ならばプロフィールカードを書いたり、美容師さんとお話したり。ここでは一切皆無。シャンプー台で次を待て、と指示を出されます。これは私が今まで行った美容室、全てがこのスタイルでした。(上の写真に小さくシャンプー台で待っている私が写り込んでいます)

ここで遠慮はいけません。シャンプーをされてからでは遅いこともたくさんあります。「シャンプーをする前に美容師と直接話したい」旨をしっかりとアピールする必要があります。シャンプー前ならば、まだ引き返せますし。私もこのタイミングで「今回初来店で、美容師さんと話がしたいんだけど」と暇そうにしていたスタッフに伝えると、「もちろんだわよ!」と美容師さん、フランチェスコを連れてきてくれました。

私が座らせれていたシャンプー台。こちらでは、仰向け状態でシャンプーします

でも、このシャンプー台、見ていただいてわかるような首の角度。リラックスは全く出来ず、シャンプー中、首に重さをかけないように上手に座っていることが大切になります。あと、リンス(Balsamo:バルサモ)については、「やる?」と聞かれたりもします。こちらの人、あまりBalsamoを使わないみたいですね。

シャンプーのあとのタオルドライはとっても適当です。バサバサっとタオルを当てられておしまい。ロングヘアの私はいつも「水も滴るいい女」になっています。ときには洋服も濡れるほど。

カットについては、美容師さんの癖もあるので一概には言えませんが、髪の毛を透く際に、ハサミやラザーではなくて、スキハサミをガンガンに使う人は結構います。「ええええ!!ものすごく適当じゃない?」というほどにガンガンすかれた事が二度あります。あと、髪の毛の長い私は必ず立たされます。裾部分を整える際は100%立たされます。これも日本では経験したことがなくて衝撃でした。

シャンプーを待っている間に見た彼女(黄色い丸枠)、自分で髪の毛を乾かしていますよ!

そう、髪の毛を乾かす作業、これがイタリアの美容室では日本とちょっと異なります。上にも紹介したように、ご婦人方はヘアセットのために美容室に訪れます。ですのでヘアセットもカットと同様、とても重要な美容室メニューなのです。こちらではPiega:ピエガと呼ばれます。ですので、Piegaは常に別料金で設定されていて、だいたい15ユーロ程度でしょうか。何もオーダーをしない場合は、勝手にPiegaが適用されて、必要もないゴージャスなヘアスタイルに整えられます。

ですので、普通に乾かすだけで良い場合は、「Piegaはいらない。Assicugaのみで」と先に伝えておくと良いでしょう。でもなんとなくこの「Piegaはいらない」が言えないんです。ケチってるみたいで。で、いつも何の予定も無いのに、夜会にでも行くようなゴージャスなスタイルで美容室を出ることになります。クルンクルン。ちなみに私の希望は「毛先に軽い動きを付けたい」Francesco氏から「今は髪の中心辺りにカールをもたせて、毛先はシュッとさせるのがモーダなんだ!」と言われ、彼の言うとおりにセットされました。出来上がりを見た彼が大満足の出来栄えでした。客の希望そっちのけですが。

シャンプー:Shampoo、カット:Taglio、セット:Piega で〆て49ユーロ。今までの美容室はだいたい35ユーロ程度だったので、かなりの金額の差はありますが、実感としては上手だったように思いますので、まぁ良しとしましょう。半年に一度程度しか行かないですしね!

いかがですか?美容室に行ってみる勇気が出ましたでしょうか?ちょっとした面白体験として、Piegaだけを楽しまれても良いかと思いますよ!下に一応美容室の情報を掲載しておきます。Jesiエリアになります。

では、またお会いしましょう。Ci vediamo presto.

-名前:PARRUCCHIERI MAURO & FRANCESCO – FABRONI FRANCESCO

住所:Via Piave 1 – 60035 Jesi (AN)電話: 0731 203637

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