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日本ではようやく秋めいてき、三寒四温の日があったりする事も徐々に増えてくる頃かと思いますが、こちらイギリスではもうとっくに、下手をすると8月頃から秋の気配を感じます。それでも昨年はお隣さんに教えて貰った、9月になると一時的に夏のような暑さがぶり返すという「インディアン サマー」なる現象を目の当たりにしたので、今年も「イギリスの夏よ、再び」とばかりに待ち侘びていたのですが、今年はなんやらそんなカムバックもないまま10月に突入、現在、紅葉落葉で秋真っ盛りです。
とは言っても、夏の暑さとまではいかないのですが、春ぐらいのポカポカ陽気になる事は週単位であったりします。ただ、それも長くは続かず21度だった翌日にはもう12度ぐらいだったり、前日のノリで翌日の服装を用意していたら翌朝無理な事が判明し、急遽取りやめたり、具体的に言うと前日半袖だったのに翌日はトレンチコートがマストな状況に陥る事は日常茶飯事です。更に細分化すると、そもそも一日のうちでの寒暖差がかなり大きく、特に今月に入ってからは、朝は晴れの予報でも大抵霧、それも濃霧レベルで、日本ではよっぽど高い山にでも登らない限りお目にかかる事はないのではないか、という程の一寸先は闇ならぬ真っ白、な状態になり、子供の頃に思い描いていた小説や映画のような、これぞ「イギリスの典型」と言って差し支えない状況になります。
それでも予報では一応晴れなので、徐々〜にとってもゆっくりと晴れ間が見えてはくるのですが、完全なる明るみを目にできるのはお昼過ぎからの事が多いです。それも、ほんの僅かの間で、次の瞬間もう陰りが出て来たり、下手をするとポツポツと降り出す事も多々あります。当然明るく晴れてくる昼間に向かって気温も上がるので、私の場合、朝はジャケットや時には薄手のマフラーを羽織って「寒いねサムイね」と言いながら子供達の学校のママ達と挨拶を交わし、午後のお迎えの頃には一転、ジャケットを脱いで長袖一枚、ひどい時(気温差が)には半袖で、朝にグチグチ言ってたのを手の平返したように、ママ達と今度は大抵「なんてラブリー デイなの」だの「暑いんだけど・・」だの、好きな事を言い合っています。こういう気候に暮らしていると、イギリス人は天気の話をするのが大好き、と言われている事にも納得です。
体質のせいか、欧米人は東洋人に比べて暑がりの人が多いように見受けられます。その証拠に、街角には季節を問わず通年半袖だのサンダルだのを履いている人が結構溢れています。さすがに冬は寒いのか、上半身はダウンジャケットだのでモコモコなのに、下にいくに従って薄手になっていき、何故か足元は裸足にビーサンだったりします。そして、これまた驚く事に、品のいい白人のお婆ちゃんが、綺麗に髪を整え、花柄のジャケットにスカーフまで軽く巻いて、長めのフレアスカートに・・何故かこの寒いのに素足にパンプス、あるいはサンダル。こ、このパターンを見たのが一度や二度ではない事に衝撃を受けました。今頃の秋ならまだしも、見かけたのが真冬だったので衝撃が大きかったです。イギリスでもストッキング着用はマナー的に必要なシーンがあるそうですが、お婆ちゃん、折角そこまで着飾ってるのに、なんか履いた方が見た目にも実用性でも有利なのでは?と、人ごとながらも心配になってしまいました。
このように、人種のるつぼと言えるイギリス、ロンドンにおいては、例え同じ気候の下に会していても気温の感じ方は十人十色、様々です。日本人としては長袖一枚が妥当な、穏やかな陽気かな?という時に、ミシュランタイヤのようなモコモコダウンジャケットを着ている親子の横に、露出も激しいタンクトップのお姉さんがいたり、一年を通して全ての種類の服装を目にする事ができます。こちら、日本人の旅行者に的を絞ったアドバイスを僭越ながらさせて頂きますと、イギリスにいらっしゃる場合は一にもニにも、羽織る物を一枚!春や秋にたとえポカポカ陽気、爽やかな秋晴れであっても、湿気が少ないイギリスでは日陰に入るとすぐに底冷えします。夏であっても状況は同じで、時間帯、急な雲の陰りや雨で寒くなる事も多いので、クシャクシャに丸めても構わないような、薄手の上着を鞄に忍ばせておくと重宝します。