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「野菜は市場が新鮮で安いらしいよ」と夫から聞いていたので、来英してまず足を運んだのがロンドンのバラ マーケット。が、今でこそわかりますが一年前の当時はまだ右も左もわからず、お洒落過ぎるマルシェのような市場を目の当たりにして「ンー、安くないんじゃないの⁈」と困惑した懐かしい思い出があります。私が思い浮かべる市場とは、もっと地元に密着した生活感溢れる、安すぎてドカ買いしちゃってかえって出費がかさんだ(!)というような、「庶民の台所」なんですね。
「クロイドンにもあるよ」
って、え?もっと早く言ってよ。
その名もサリー(Surrey)ストリート マーケット。すぐそばを路面電車が通る、ハイ ストリート(繁華街)の一角に位置します。市場が発生したのはなんと、1276年とイギリスでも屈指の歴史あるマーケットだったのです。青果を中心に魚屋さんが一軒、お花やエスニックな雑貨を出しているストールもあります。月曜から土曜まで毎日朝8時前後から夕方18時まで出店されているようですが、そこはやはり市場、朝の方が鮮度も品数も豊富でしょうから、私は午前中に行くことが多いです。
お客さんは普段から通ってそうな、いかにも慣れた様子の人、当初の私のように恐る恐る売り子さんに何か聞いている観光客然とした人、老夫婦やベビーカーを押すママさんも結構います。売り子の方もイギリスの陽気なオバちゃん、眼光鋭いチャキチャキお婆さんから、お店の本部か何処かのスーパーから派遣でもされてきたのでしょうか?何故か髪をピッシリ整えたスーツ姿のビジネスマンまでいて、その他中東、インド系、中国人一家、東欧っぽいスカーフを頭に被った聾唖者など、多種多様なバックグランドを持った、正にエスニックなクロイドンを象徴する光景が見られます。
初めて訪れた時は、普段スーパーでは手に入りにくい大根やカボチャ、空芯菜などのアジア食材が豊富な事に舞い上がり、また、中でも特に大好きなパクチーやアボカドも大特価で売られていたので冒頭で述べたように、沢山買いすぎて浪費してしまいました。しかも、調子に乗って一軒目で端数を値切って貰ったら、袋が複数に分けられていたのでそのうちの一つ、最も初めにお買い上げしたせっかくのお大根様を置き忘れてしまいました!おトクだったのやら何なのやらで?反省したので、皆さんもご利用は計画的に。
ひとカゴ1ポンドで売られている物が多いですが、いくら安くてもきっと品物の良し悪しがあるはずですから、鮮度などを見てよくよく吟味精査する必要があります。私のニーズからすると、自然に中国系のお店が重宝して鮮度も良く、オマケもちょっとしてくれたのでお気に入りなのですが、もう一軒ピチピチの果物や張りのあるトマトを出す、イギリス人おばあちゃんのお店があります。なかでも特筆すべきは断然ブルーベリー!2パックで1ポンドとあったので、1つで半額でもいいかと聞くとギロっと睨まれ、「駄目だ」と一喝された頑固そうなおばあちゃんですが、結局買うことにすると「いるのか。大きいやつだな?」と、イイやつを選んで入れてくれました。
日本だと良かれと思ってわざわざ国産を選んで買っても、ほんのチョッピリな上に酸っぱくてガッカリするのですが、この市場のはしっかり甘い!しかも大量なので、まるでヨーグルトかプリンでも食べるかのようにカップにドサっと入れてスプーンでバクバク食べる、という夢のような事が出来、食べる度に感動しています。
日曜日は10時半から17時まで、通常の市場とは違った青空シアターや音楽祭など、その時々によって様々なイベントが催されるそうなので、今度は日曜日にも行きたいと思っています。
サリー ストリート マーケット
所在地: Surrey St, Croydon, CR0 1RJ
アクセス: 鉄道 East Croydon駅より徒歩9分