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みなさん、こんにちは。アンコーナ特派員の丹羽淳子(ニワアツコ)です。アンコーナ、この街の名前の語源はギリシャ語での肘(ANKON)に由来していると言われています。この港町はギリシャ人が開いた街として知られていて、その歴史を語る多くのものにも、ギリシャの息吹が見て取れます。アドリア海に陸地が「肘」の形のように突き出しており、この名前が付けられたとのこと。もう2000年以上も前の話しで驚くばかりですね。
さて、そのアンコーナ一の見どころスポットとして知られるのが、San Ciriaco :サンチリアコ大聖堂です。Duomo(ドゥオモ)と呼ばれ、正に街のシンボル的存在。
地球の歩き方ニュース&レポートでもご紹介しています。ご参照ください。歩いて巡るイタリア・アンコーナ! 観光スポット5か所を効率的に観てまわるおすすめルート(前編)
この大聖堂の設立は12世紀のこと。ゴシック様式とビサンチン様式のミックススタイルで、シックで荘厳なイメージです。派手さはありませんが、教会の近くに立つと、その存在感は否めません。
大聖堂前の駐車場から見渡せるのは、アンコーナ港。大型客船や貨物船の寄港もありますが、ドックとして大型船を造船している模様も伺えます。遠くに見えるのはセッニガリアや、天気が良い時は100km先にあるペーサロあたりまでも見えることも。
写真中央やや左寄りには2つの門が見えますよね。これもローマ時代に建立された Arco di Traiano トライヤヌス門になります。トライヤヌス帝に気に入られていたギリシャ人建築家"ダマスカスのアポロドーロス"の設計とのこと。
さて、大聖堂内は華美さは全く無く、非常に落ち着いた空間です。色味が少なく、殺風景になりがちな室内ですが、壁はすこし赤みを帯びた白色が基調となっていて柔らかい暖かさが感じられます。
天井は材質である木がそのまま見えるようにしつらえてあり、木と石のバランスがとても素敵です。
壁の石も小さなブロックの組み合わせですので、光に当たると軽く色目が変わり雰囲気がでますよね。
このDuomo、この外観での建立は12世紀ですが、その前にも教会やギリシャ人のアクアポリスとしての建物が存在していたそうです。そんな歴史が教会の床下に見られます。
聖人、SanCiriacoが眠る部屋が大聖堂の地下部分に設けてありますが、その地下部分と大聖堂をつなぐ階段脇には、ギリシャ人時代に使われていた建物の名残を見ることも出来ます。これがその部分です。左側の壁部分や階段部分が2000年ほど前のものだとか‥。信じられませんね。
アンコーナのチェントロ部からバスでも迎えますが、15分ほどで歩いて行くことも出来ます。素敵な大聖堂ですので、ぜひ、アンコーナにいらっしゃった際はご見学なさってみてくださいね。
では、またお会いしましょう。Ci vediamo presto.
––––––––––––––––––––––––-・サン・チリアコ大聖堂(Duomo di Ancona)・住所:Piazzale del Duomo, 9, 60121 Ancona AN, Italy・開場時間:8:00~12:00、15:40~19:00(夏期)、8:00~12:00、15:00~18:00(冬期)・URL:http://www.diocesiancona.it/