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トレヴィの泉でローマ再訪を願う

田澤 龍太郎

田澤 龍太郎

イタリア特派員

更新日
2018年11月21日
公開日
2018年11月21日
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永遠の都"ローマ"を旅する者にとって、訪れるべき観光地の一つにこのバロック様式の噴水の"トレヴィの泉"(伊語:Fontana di Trevi)が入っていることは間違いないだろう。また、1950年代のフェリーニの映画「甘い生活(伊語:La Dolce Vita)」の名場面にあるように「トレヴィの泉に背中を向けてコインを投げ入れれば、再びローマに戻ってくることができる」というおまじないでも多くの人々に知られています。

この荘厳なトレヴィの泉は、首都ローマでも最大の噴水であり、古代ローマ時代にアウグストゥス帝が作らせたもので、11本ある古代ローマ水道の一つであるヴィルゴ水道(伊語:Aqua Virgo)の終着地となっている。現在あるトレヴィの泉は、かつてあったヴィルゴ水道の放出口があった場所から移動したが、1732年に教皇クレメンス12世(伊語:Clemens XII)の命を受けたローマの建築家である二コラ・サルヴィ(伊語:Nicola Salvi)によって設計されたと言われています。彼はこのトレヴィの泉の完成を見ることなく、病によって世を去ったが、1762年にこの計画を引き継いだジュセッペ・パンニーニ(伊語:Giuseppe Pannini)という建築家によって完成されたのです。

煌びやかな彫刻が訪れる者を印象強くさせてくれるトレヴィの泉は、海神ネプチューン(ローマ神話の神。ギリシャ神話ではポセイドンに相当)の馬車を2頭の海馬とギリシャ神話に登場する海神トリトーネが引いているのが分かる。左側の暴れ馬は、荒れた海を表し、右側の大人しい馬は、穏やかな海を表現しています。

そして、古代ローマ水道から引かれたトレヴィの泉の名称は、泉で合流していた「トレ・ヴィエ(Tre ・Vie)=3本の道」に由来しています。

1980年に世界遺産へ指定された「ローマ歴史地区」にあるこのトレヴィの泉は、やはりここローマでも人気のスポットであり、毎日のように観光客が途絶えることなく惹きつけられるが、人混みが少ない早朝のトレヴィの泉、そしてライトアップされたトレヴィの泉とそれぞれの趣きのある顔を覗かせてくれます。特に早朝のトレヴィの泉は、ゆっくりと写真を撮ることができ、場所を確保して願を込めてコイン投げをするのに最適な時間帯です。訪れる者にとってもはや定番とも言えるコイン投げにも様々な言い伝えがあり、1回目のコイン投げは「ローマ再訪」、2回目は「愛する人と恋に落ち」、3回目は、「その人と結婚する」と言われています。何とも言えないロマンチックな話だが、3回目には隠れた言い伝えも存在し、「嫌いな人と別れられる」という話もあります。

トレヴィの泉に投げ込まれたコインは、カトリック系の慈善団体に寄付されてきたが、現在は、慢性的な財政赤字のローマ市が実施するプロジェクトの財源となっていると言われています。カトリックの国として慈善団体に寄付するという人道的な支援が減るのはとても残念なことですが、町中の至るところで見かける落書きやゴミ問題等と様々な問題を抱えるローマ市が華やかなイタリアの首都らしく町が綺麗に整備されることを願うばかりです。

【アクセスについて】地下鉄A線 バルベリーニ駅(伊語:Barberini)下車 徒歩約8分

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