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ロンドンと冠した名前の割には、お薦めランキングであまり見かけない、ちょいマイナー?なロンドン博物館 Museum of London。その名のとおり、イギリスでもロンドン地域のみに特化した、紀元前から近代までの歴史を振り返る展示がされています。
古代から1660年代までの一階フロアー
見るルートとしては、一階(グランドフロアー=二階)から地下階に向かって歩みを進めると、順番にロンドンのこれまでを学べる仕組みになっています。始めは、石器で出来た道具や武器、家の中の様子や台所用具など昔の生活ぶりを再現した展示が並び、途中子供向けに分かりやすく解説する為、服装も当時の格好をしたスタッフがいました。説明文など読む気が全くない子供達にとっては、こうして対面して質問を投げかけながら興味を引き出してくれるサービスは、分かりやすくていいですね。
その後、イギリスではとてもよく焦点を当てられる中世の時代と、戦争、疫病、歴史的大火災が起きた1666年までが一区切りとして紹介されています。
華やかな社交時代と貧困のコントラスト
地下階は、「街の発展」を大きなテーマとして、きらびやかな装飾品やドレス、ガーデンパーティーが流行った様子などが再現され、典型的なイギリスらしいイメージとなっています。
ただ、どこの国でも通ってきた道でしょうが、1800年から1900年頃まではロンドンでも庶民の生活は相当に苦しかったようです。空腹のあまり机に突っ伏している写真や、親子でマッチ箱の内職に励んでいる写真など、家具や身なりは皆一様にボロボロ、表情も暗いものばかりです。
どちらかというと、先に述べた華やかな貴族といったイメージばかりが多いイギリスにおいて、日本の戦後を思い起こすこれらの現実を切り取った写真には驚きましたが、貧しい時代を経て豊かな今がある、というのは同じなんだな、と親近感も湧きました。
二月はLGBTQ月間
物理的、経済的繁栄のみでなく、様々な思想の自由といったものも、徐々に時間をかけて発展していきました。博物館は、今月をロンドンにおけるLGBTQの歴史を振り返る強化月間として、性的少数者にまつわるテーマを掘り下げています。丁度トークツアーの時間だったので参加してみたのですが、子連れですと「とても繊細で、あまり子供向きではない内容になります。」と予め断りが入ったので、私だけにしました。ホームページには対象年齢10歳以上、となっていました。この時のお題は18世紀のロンドンで、ゲイの人達が集まる社交場だったモリー Molly ハウスについてでした。
イギリスでは当時同性愛は違法で、英文学の代表的な文豪オスカー ワイルドを含めた多くの人が逮捕され、監獄に入れられたそうです。このモリー ハウスが摘発にあったのも想像に難くありません。同性愛が合法になったのはワイルド死後の67年後、1967年。お話してくれたスタッフは、「そんなに昔でない事に驚きます。」と、盛んに繰り返していたのが印象的でした。
子供が騒ぐので、カフェでオヤツを食べさせてから帰路につきました。意外な事に、こちらの博物館では会議やパーティーを開くために貸し切る事ができるらしく、結婚式も可能なんだそうです。近くには迫力のセント ポール大聖堂もあり、人混みに揉まれず自分のペースでゆったりと廻れるので、子連れにも向いています。
Museum of London住所: 150 London Wall
London EC2Y 5HNアクセス: 地下鉄 St Paul's 駅、Moorgate 駅、Barbican 駅より約徒歩6分営業時間: 毎日 10時〜18時入館料: 無料URL: https://www.museumoflondon.org.uk/museum-london